物価高騰でフードバンクに危機が!寄付が減少し、食料品が集まらない…支援団体が寄付を呼びかけ(静岡県)

生活に困っている人に食料品を提供する「フードバンク」活動への食料品の寄付が、物価高騰の影響で大幅に減少し、支援団体が寄付を呼び掛けています。

家庭で余った食料や、パッケージに傷があり売り物にならなくなった商品などを譲り受け、生活に困っている人たちに無償で提供する活動「フードバンク」

2014年からこの活動を行っている「フードバンクふじのくに」です。事務所には市民や企業が寄付した食料品が並びます。一見、たくさんあるように見えますが…

(フードバンクふじのくに 鈴木和樹 事務局次長)

「この量が2.3日でなくなってしまう」「例年に比べて(寄付が)集まるペースが遅い、(去年の)半分まではいかないが、それに近い状況」「非常に少ない量の寄贈」

「フードバンクふじのくに」では、毎年1月と8月に、県内の公共施設やスーパーなど、約300か所に回収ボックスを設置して、食料品の寄付を募る取り組みを行っていますが、2023年1月の活動で集まった食料品は13.2トンで、2022年の同じ時期と比べ3割減少。さらに、8月の活動でも、現時点では2022年と比べ、3割ほど減っているというのです。その原因と考えられるのが物価の高騰です。

(フードバンクふじのくに 鈴木和樹 事務局次長)

「物価高の影響で家に寄付できる食品が余っていない、残さず使っていることが一番の要因」「(これまで)箱にパンパンに入れていたものを8分目にして渡したり、量で調整している」

その一方でフードバンクの利用件数は、活動開始の2014年と比べ10倍の、年間約4400件まで増加。事務局次長の鈴木さんは「これまでで最も食品が不足している状況」と話します。

(フードバンクふじのくに 鈴木和樹 事務局次長)

「年々寄贈量は増えているが、供給量も増えている。(食料を)欲しいという人が多いのが現状。県内にこんなに困っている人がいる」「思いを持ち寄っていただくことで、困っている人に届くようになるので、ぜひ協力していただければ」

主に不足しているのは、米や麺などの主食だということです。

県内の公共施設やスーパーなど約300か所にある回収ボックスは、8月31日まで設置されていて、「フードバンクふじのくに」のホームページで設置場所を確認できます。

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