掛川市が学校の部活動を廃止へ “地域クラブ” への完全移行まで3年…見えてきた課題とは?(静岡県)

2026年夏までに学校の部活動を廃止して、“地域クラブ”への移行を目指す掛川市で、今月新たな地域クラブが誕生しました。その一方で、見えてきた課題もありました。

(料理クラブの指導者)

「ここは猫の手のほうがいいかな、上手だね」

8月5日、掛川市で小中学生を対象に料理の実習などを行う「掛川料理クラブ」が設立され、初の体験会が開かれました。参加したのは、市内の複数の学校から集まった小学生とその保護者です。

実はこの取り組み、学校の部活動の今後のモデルとなるものです。

掛川市では2026年の夏までに、中学校の部活動を廃止します。その代わりに、学校と切り離された団体が運営する”地域クラブ”を設置し、生徒たちはこの地域クラブに入り活動をすることになります。すでにスポーツから文化まで、市が公認した18の地域クラブが誕生し活動しています。

この「掛川料理クラブ」も、地域クラブの一つです。市が小学生を対象に行った部活動に関するアンケート調査で「料理」への関心が高かったことを受けて、公益財団法人 掛川市文化財団が、新たな”地域クラブ”として設立したのです。指導者は市民から有志を募ります。この日は一般の企業に勤める市民が務めていました。

(料理クラブの指導者)

「事務職員です」「私は子育てが一段落している、これからの子どもに料理を作る楽しみや、生きていく中で(食が)大事な部分になる」「料理を通して自主性を持つことや自信がついてくる」

地域クラブでは、参加者から集めた会費を運営費用として活動します。このクラブでは、調理設備や備品がそろっている公民館の調理室を使い、会費を抑える工夫をしています。

(参加者)

「香りがでてきたよ」

この日は、トマトのツナのスパゲティや寒天を使ったフルーツゼリーに挑戦し、子どもたちの楽しそうな笑顔がみられました。

一方、こちらのバドミントンクラブは、2022年10月に設立された地域クラブです。中学1年生12人が所属し、週2回練習を行っていて、この秋には新人選に出場する予定です。クラブの立ち上げから約10か月が経ち、課題も見えてきたようです。

(中学生)

「1週間の中でうれしいことは、バドミントンがあること、バドミントンを続けていきたい」「送り迎えが大変で、自分の自転車で来られる距離で練習できたらうれしい」

(指導者)

「指導者をそろえて練習できる環境をつくることが最初は大変だった」「バドミントンの仲間が協力してくれて、活動が活発になった」

課題の一つが指導者不足。市は地域クラブを支援するために、指導者の募集をしています。また市は、子どもたちから要望を聞き取り、11月に更なる地域クラブの設置案を公開する予定です。

© 株式会社静岡第一テレビ