神奈川県内の観光・宿泊施設 「5類」移行で夏は活況 インバウンドも復活

新江ノ島水族館で今夏、人気を集める「フィンズ」。水槽に見たい魚の絵を描くと、ダイバーがその魚を紹介してくれる(同館提供)

 新型コロナウイルスの「5類」移行後、初めての夏休みが終わろうとしている。神奈川県内の観光・宿泊施設は、かき入れ時であるお盆時期に悪天候となり、打撃を受けたものの、おおむね活況。インバウンド(訪日客)も戻りつつあり、今後の盛り上がりに期待する声も聞かれる。

 横浜・八景島シーパラダイス(横浜市金沢区)の8月の入れ込み客は、前年比2割増で着地しそうだ。中旬に予定していた4年ぶりの花火ショーは台風の影響で中止したものの、コロナ禍で落ち込んだ客足が戻った。

 イルカが観客に水しぶきを浴びせる演出が名物で、今夏は人気シューティングゲームとタイアップ。猛暑日が続き、「涼を求める需要とマッチした」と広報担当者。インバウンド(訪日客)がとりわけ目立ち、今後も中国人の団体旅行の解禁が「追い風になる」と期待する。

 新江ノ島水族館(藤沢市)は夏休み期間中、午後6時までの営業とした。昨年よりも1時間短いが、今年の来館者数はほぼ同数といい、担当者は「(新型コロナの)5類移行で、人々の外出するモチベーションが上がったのでは」と話す。

 今夏は、コロナ禍で休止していたダイビングショー「フィンズ」と、クラゲのショー「海月の宇宙(そら)」をリニューアルして再開。特に子どもたちに人気を集めているのが、同館内で最大規模の「相模湾大水槽」で行われるフィンズという。

 ビニールシートが貼られた大水槽部分に、来館者が見たい魚を水性ペンで描くと、その魚をダイバーが水中カメラを使って紹介するという「全く新しい形のショー」(担当者)。交流サイト(SNS)などでも話題を集め、集客に貢献した。

 27日には、今年1月に誕生したフンボルトペンギンの愛称を「イト」に決定。ペンギンプール前で命名式を実施した。現在公開中で、担当者は「イトの成長を見に来てほしい」と来場を呼びかけている。

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