90歳三浦さん、富士山頂に到達 不自由な脚、仲間が車いす支援

富士山頂に到達し、山岳用車いすに乗りながら万歳する90歳の冒険家三浦雄一郎さん(中央)。後ろは次男の豪太さん=31日朝

 日本最高峰・富士山(3776メートル)の登山に臨んだ90歳の冒険家三浦雄一郎さんが登山最終日の31日午前7時20分ごろ、山頂に到達した。不自由な脚をカバーする山岳用車いすを家族や仲間らがサポート。前日には名誉校長を務めるクラーク記念国際高登山部の生徒らも合流し、新たな足跡を刻む瞬間を見守った。

 富士山には例年多くの登山客が訪れるが、90歳以上の山頂到達は少ない。三浦さんは晴れて冷たい風が時折吹き付ける中、行程を支えた家族や仲間に「おかげさまで長いこと念願だった山頂にたどり着けた。最高です」とうれしそうに話した。

 三浦さんはこの日、静岡県側富士宮ルート9合目の山小屋(3460メートル)から山頂に向かった。東の空からオレンジ色の朝日が昇るのを見つめてから、午前5時15分ごろに山岳用車いすに乗り出発。「楽しみです。景色も良くていいタイミング」と穏やかに語った。

 三浦さんは87歳だった2020年6月に「特発性頸髄硬膜外血腫」を発症し、約8カ月にわたり入院。リハビリの目標として富士登山を志した。

富士山頂に到達し、鳥居をくぐる90歳の冒険家三浦雄一郎さん(手前右)。同左は次男の豪太さん=31日朝
富士山登頂を目指し、7合目を出発する三浦雄一郎さん=30日朝

© 一般社団法人共同通信社