青山学院大学、OB/OG訪問のオンライン化によりキャリアの選択肢を拡大

創立以来、キリスト教信仰にもとづく教育を行い、自ら問題を発見し解決する知恵と力をもつ人材の育成に尽力してきた青山学院大学。キャリア支援においては「情報提供」「イベント開催」「個別相談」を軸に、早い段階から学生自らがキャリアを考える機会を創出してきた。

しかしOB/OG訪問に関しては、最新のOB/OG情報や動向、学生にOB/OGの情報を提供した後の状況を把握できないなどの課題があった。このような状況のなか、青山学院大学がビズリーチ・キャンパスを導入するに至った経緯や、導入後の効果について、進路・就職センターの平井昇事務部長に話をお聞きした。

学生の意志を尊重し、3つの軸でキャリア支援を展開

米国メソジスト監督教会の宣教師によって創設された3つの学校を源流とする青山学院は、キリスト教信仰にもとづいた教育を行い、2024年に創立150周年を迎える。青山学院大学は「『地の塩、世の光』としての教育研究共同体」として「自ら問題を発見し解決する知恵と力をもつ人材を育成する」という理念を掲げている。独自の全学共通教育システム「青山スタンダード」をはじめ、学びを通して自ら問題を発見し解決する知恵と力を養成し、すべての人と社会のために未来を拓く「サーバント・リーダー」を育成している。

このような特徴的な教育を行っている青山学院大学では、どのようなキャリア教育を展開しているのだろうか。進路・就職センターの平井氏は、「学生一人ひとりの意志を最大限に尊重し、希望をもって社会に踏み出していけるよう、低学年次からさまざまな機会を設け、キャリア支援を行っています」と語る。

「民間企業や官公庁、自治体など、多種多様な就職先・進路の情報を収集・提供しているほか、年間に350~400ほどのキャリア支援講座を開催。加えて、専任職員はじめ複数のスタッフが学生の進路・就職に関する個別相談に応じてきました」(平井氏)

「情報提供」「イベント開催」「個別相談」の3つの軸でキャリア支援を行ってきたが、近年は課題を感じることも多かったという。

「たとえば就職情報は、就活手帳やWebの進路就職支援システムを通じて提供していますが、学生が文字や動画などから把握できる情報は限られており、その企業や仕事の魅力・特徴を把握するには十分ではありません。そこで、OB/OG訪問などの活用により、情報提供をカバーしたいのですが、『卒業生の転職先までは追いきれない』『OB/OG情報を学生に繋いだ後の実態を把握できない』などの課題がありました」(平井氏)

同学では、卒業生有志による「就職アドバイザー」制度があり、この就職アドバイザーに登録した卒業生にOB/OG訪問の協力依頼を行っている。しかし、連絡先の変更や転職などにより、OB/OG情報のアップデートができないケースが多々あるという。また、個人情報であるOB/OG情報を得るには学生が直接、進路・就職センターの窓口に来る必要があり、学生にとって「利便性が良くない点」も課題に感じていた。

これらの課題を解決するために、平井氏が検討したのが、ビズリーチ・キャンパスの活用であった。

お話をお聞きした進路・就職センターの平井昇事務部長。

株式会社ビズリーチ協力のもと、OB/OG訪問イベントを開催

近年、青山学院大学では、教育・研究・社会貢献などの視点からSDGsの達成に向けた取り組みを推進しており、進路・就職センターでもSDGsをテーマにしたイベントを検討していた。SDGsとキャリアを絡めたイベントを実施し、集客効果も高かった時期もあったが、コロナ禍、あらためてOB/OGとの連携の観点から進路・就職センターとして株式会社ビズリーチに相談。株式会社ビズリーチがビジネスの最前線でSDGsに取り組む社会人の誘致やイベントの運用面をサポートすることとなった。

こうして開催したのが、低学年向けキャリア支援講座「SDGs領域で働く先輩へのOB/OG訪問オンラインセミナー」である。

「学生が社会に出たとき、自ら携わる仕事を通じて社会にどう貢献していくことができるのか。参加者は少なかったものの学生たちのSDGsへの関心度が非常に高いこともあって、SDGs をテーマにしたOB/OG訪問セミナーは一定の成果があった」と、平井氏。その後のアンケートで「学生の満足度」が高いことがわかり、これがビズリーチ・キャンパス導入を考える決め手の一つとなった。

その後、学内の就職部運営委員会で「ビズリーチ・キャンパスの導入」について検討。2023年5月に「ビズリーチ・キャンパス for 青山学院大学」を正式に導入することとなった。

「本学は毎年約4,000人の卒業生を輩出していますが、2024年度卒業予定の学生のうち、すでに約2,500人がビズリーチ・キャンパスに登録しています。卒業生に関しては、就職アドバイザーに働きかけ、ビズリーチ・キャンパスの登録を促しているところです」(平井氏)

「ビズリーチ・キャンパス導入に先駆けて、キャリア支援のイベント運営をサポートしてもらいました」と、平井事務部長。

→ビズリーチ・キャンパスをハブに、キャリア支援の体制を強化

ビズリーチ・キャンパスをハブに、キャリア支援の体制を強化

ビズリーチ・キャンパスを導入する優位性に関してたずねると、平井氏は「セキュリティ管理」と「機能性」の2つの側面を挙げた。

「セキュリティ管理に関しては、学生やOB/OGの個人情報を一元管理しており、お互いの個人情報を知らせることなくOB/OG訪問を実施できること。また、メッセージログを24時間監視するなど、トラブルの防止策も講じていると聞きました。非常に盤石な体制であり、セキュリティ管理に関しては一切の不安を感じていません」

「機能性に関しては、学生とOB/OGのマッチングややりとりをオンライン上で行える点を評価しています。学生はいつでも気軽にOB/OG情報を入手し、OB/OG訪問を成立させることができます」と、平井氏。

窓口に来た学生に対面で対応していた時期と比べると、職員の負担軽減にもつながり、「省力化」もビズリーチ・キャンパスを導入する大きなメリットだという。

今後、進路・就職センターはビズリーチ・キャンパスを軸に、キャリア支援の体制をさらに強化していきたいと考えている。

「本学には卒業生で組織されている『校友会』や、大学部会の『在校生就職支援委員会』があり、それぞれが独立した組織として、就職支援の取り組みを進めてきました。ビズリーチ・キャンパスをハブにすることでこれらの組織との連携を密にできるようになり、より良いキャリア支援につなげていけるのではないかと考えています。

たとえば進路・就職センターが管理している就職アドバイザーは比較的年代が若く、逆に校友会から参加するOB/OGは経験豊富な社会人が多い傾向にあります。校友会所属のOB/OGに加え、ビズリーチ・キャンパスに登録するOB/OGの双方のネットワークにより、学生たちは幅広い年代・多様なキャリアを持つOB/OGと接点をつくることができます。

また、校友会や在校生就職支援委員会との連携により、イベントの内容にも厚みを持たせることができると考えています。そうなることで学生は、転職や独立・起業なども視野に入れて、長期的な視点でキャリアについて考えることができます」と、平井氏は期待している。

「校友会にも働きかけて登録者数を増やし、OB/OGの層を厚くしていきたいですね」(平井事務部長)

有意義な学生生活を送り、卒業後の可能性を拡げてほしい

これまで紹介してきたように、青山学院大学では学生一人ひとりの意志を尊重したキャリア支援を低学年次から行ってきた。平井氏は、「ビズリーチ・キャンパスの導入が、学生たちがキャリアの選択肢を広げる一つのきっかけになってほしい」と願っている。

「まだ社会に出ていない学生の場合、どうしても知名度の高い企業を中心に検討する傾向があります。しかし世の中には、知る人ぞ知る優良企業が多数あります。学生が早い段階からビズリーチ・キャンパスを活用し、OB/OG訪問を通じて多様な業界や仕事、働き方とそこで働く人を知ることで、キャリアの新たな可能性に気づくでしょう。私はこの点にこそ、ビズリーチ・キャンパスを導入する最大のメリットがあるように思います」(平井氏)

学生にとって就職は、社会へと踏み出す第一歩となる。だからこそ、平井氏は学生一人ひとりに対して、「興味ある学問を探究し、サークル活動やボランティアなどさまざまなことに挑戦しながら有意義な学生生活を送ってほしい。そのうえで、ビズリーチ・キャンパスを有効に活用し、卒業後の進路の選択肢を拡げていってほしい」と願っている。

青山キャンパスの進路・就職センター。同センターでは、学生が希望をもって社会に羽ばたけるよう支援している。

<本件に関するお問い合わせ先>

株式会社ビズリーチ 新卒事業部(ビズリーチ・キャンパス)

以下のフォームよりお問い合わせ下さいませ。

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