三浦さん強い挑戦心「山頂まで」 目標と仲間、大切さ象徴

富士登山を前に、札幌市内の病院でリハビリをする三浦雄一郎さん=3日

 90歳になった三浦雄一郎さんは3年前に患った病気の現状を自覚し、富士登山中は山岳用車いすを使う場面が多くなると予測していた。なおもトライしたのは体の状態が厳しくても「山頂まで行ってみたい」との強い挑戦心から。支援した数十人と共に頂へ立ち、日本最高峰からの雄大な景色を共有する姿は目標を持つことや仲間の大切さを象徴していた。

 病状は悪く、今も足の裏の感覚はなくなることがある。1週間のうち1回は病院、2回はスポーツジムでリハビリやトレーニングに取り組み、3回は状態の改善に向けてのマッサージを受けてきた。登山を控えた8月上旬、リハビリ先の札幌市の病院で脚の筋力が少し戻ったことを知ると「そうか、そうか」と喜んだ。

 目標へのアプローチは「できることに目を向ける」(次男の豪太さん)との方針で臨んだ。歩けそうな場所を中心に歩き、あとは車いすを引っ張る仲間の力に頼った。

 90代を迎えても挑戦できる日々を三浦さん自身は「人生のお釣りみたいな、もうけもん」と受け止め、その時間をまだまだ堪能したいと考えている。

© 一般社団法人共同通信社