有名歌手殺害で確定判決 チリ元軍人7人、1人自殺

2009年、チリの首都サンティアゴで歌手ビクトル・ハラを追悼する人々(AP=共同)

 【サンパウロ共同】南米チリの最高裁は30日までに、1973年9月に起きたピノチェト陸軍司令官によるクーデターの際、左派系の著名歌手ビクトル・ハラら2人を拉致し殺害した罪で元軍人7人に対し禁錮約25年などの判決を言い渡し、確定した。現地メディアによると、うち1人は拘置施設に送られる前に自宅で自殺した。

 ハラは貧者や労働者に寄り添う歌が人気を博した。クーデターで倒されたアジェンデ社会主義政権を支持していたために殺害された。クーデターから50年の節目で著名歌手殺害に一つの区切りがついた形。

 クーデター後は左派活動家らに対する弾圧が行われ、死者・行方不明者は3千人以上に達した。

© 一般社団法人共同通信社