樹木食い荒らし枯死させる 外来カミキリ被害、那須塩原で県内初確認

ツヤハダゴマダラカミキリ(福島県提供)

 県は30日、トチノキなどの樹木に寄生する外来種の昆虫「ツヤハダゴマダラカミキリ」の被害を那須塩原市で県内初確認したと発表した。全国で10県目になる。特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」と同様に樹木の内部を食い荒らし枯死させるのが特徴。倒木の原因になるなど問題化しており、国が来月1日に特定外来生物に指定することになっている。

 ツヤハダゴマダラカミキリは中国や韓国、北朝鮮が原産。体長は約2~3.5センチで樹木の高い位置で産卵する。全身が黒く、胸部以外に白い斑点がある。国内では2002年に神奈川県で初めて発見された。21年に兵庫県で再確認されたのを皮切りに生息域を急拡大。茨城県や埼玉県、福島県でも見つかっており、街路樹などで被害が発生している。

 県自然環境課によると、29日に那須塩原市大山小の敷地内にあるトチノキの下で児童が成虫1匹の死骸を見つけた。すでに幹の上部が枯れ始めており、県と市は伐採などを検討している。同課は「優先対策種の指定などを検討する」としている。

 また30日、真岡市の鬼怒さくら公園の桜にクビアカツヤカミキリの被害を確認したと発表した。県内の被害は7月の大田原市に続き12市町目となる。

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