ペアリング手作り、思いを形に 鶴岡のHAYASE、模様や凹凸を自由にデザイン

手作りリングの制作過程を説明する大滝由希代表=鶴岡市・HAYASE

 アクセサリーの販売やリメークなどを手がけている「HAYASE(ハヤセ)」(鶴岡市青柳町)は、結婚指輪を自分たちで手作りできるサービスを提供している。素材選びや原型作りを通して2人の思いを形にできる、県内では珍しい取り組みという。新型コロナの感染法上の位置付けが5類に移行したことを機にブライダル市場が動き始めた中、2人の新たな出発に「世界で一つだけのペアリングをぜひ」と話している。

 HAYASEはジュエリーデザイナーの大滝由希代表(45)が2017年8月に立ち上げた。かつて宝飾ブランド店で働いていた際、よりお客さんに寄り添ったジュエリーを販売したいと一念発起。金属の性質や特徴などを一から学び、米国宝石学会(GIA)の宝石学修了者資格の取得を経て店を構えた。

 手作り指輪の素材は、プラチナ、18金、10金を用意。利用者は素材を選んだ後、大滝さんと相談しながらイラストでデザインをまとめる。原型作りでは、ろう型のような加工しやすい円筒形のワックスをやすりなどで削って指輪の形にし、側面にはオリジナルの模様や凹凸などを同じく削って表現できる。所要時間は3時間ほど。その後、約1カ月をかけて同店が原型を基に鋳造し、指輪として完成させる。

 PR不足から利用者はまだ数組程度だが、「世界で一つのペアリングを作れた」「制作時間も宝物になった」などといった声が寄せられている。大滝代表は「夫婦の絆を強くさせる。お守りのように身に着けてもらいたい」と話した。手作り指輪はペアで20万円前後から受け付けている。予約制で、問い合わせは同店0235(24)3080。

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