10.10空襲の慰霊祭、11月に開催へ 近隣ビーチで音楽イベント重なり変更

 10.10空襲や沖縄戦などの犠牲者を追悼するため、毎年10月に那覇市が主催する市戦没者追悼式(なぐやけの碑慰霊祭)について、今年は11月11日の開催を予定していることが分かった。市は当初、例年通り10月開催を予定していたが、近隣ビーチでの音楽イベントが重なったことを受け、遺族会との協議を踏まえ11月開催を決めた。

 市の方針に対して、那覇市連合遺族会の瑞慶山良祐会長は「仕方がないことは分かるが、記憶の継承の観点からも10月にやってほしい。われわれは長く10月開催にこだわっていた。寂しい思いはある」と語った。

 慰霊祭は遺族会が毎年10月10日前後に開催していたが、高齢化に伴い、2017年から市が主催している。近年は那覇大綱挽との兼ね合いもあり、10月の第4土曜日を開催日としてきた。

 慰霊祭を担当する市福祉政策課は「慰霊祭の目的を考えると10月開催がふさわしいが、音楽イベントの横で慰霊祭をするのはそぐわず、イベントを止めることもできない。非常に残念だが、遺族会との協議の上で11月開催を決めた」とした。一方、来年の開催については「イベント主催者に配慮をお願いするなどして10月開催を目指す」とした。

 (吉田健一)

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