水谷豊×寺脇康文が新たなるシーズンへの覚悟を語る!「相棒 season22」が10月スタート

テレビ朝日系では10月から、前シーズンで14年ぶりに水谷豊と寺脇康文のコンビ復活となった連続ドラマ「相棒」の新シリーズ「相棒 season22」(水曜午後9:00、開始日未定)がスタートする。

2000年にスペシャルドラマとしてスタートし、濃密で骨太なミステリーと魅力的な人間模様で圧倒的な支持を受けてきた「相棒」。前作「相棒 season21」で、杉下右京(水谷)の初代“相棒”である亀山薫(寺脇)とのコンビ復活が大きな話題をよび、初回拡大スペシャルでは個人9.8%、世帯17.3%という高視聴率を獲得した。また、今年1月25日には放送400回も突破するなど、その勢いはとどまることを知らない。

「やはり『相棒』シリーズは亀山くんと始まりましたから、『またあの2人が見られる!』と喜んでくださった方が多かったように思います。一方で、亀山くんとのコンビを新鮮に感じる皆さんもいらしたのではないかなと思いました」と前シーズンの反響を振り返る水谷。「14年ぶりの再会で実際、撮影がスタートしたらどうなるんだろうと思っていたのですが、始まってみると14年前と何も変わっていませんでした。待ち時間に2人で交わす会話も、シリーズ誕生当時と何ら変わってないんです。何なんでしょうか、この変わらなさ加減は…(笑)」と、長いブランクを一切感じない撮影だったことを報告。

一方の寺脇も「昨シーズン、右京さんと14年ぶりに再会したわけですが、つい何カ月間か会っていなかっただけのように思えましたね。14年経ったからとか、2年目だからこうしようというものは僕らの中にはなくて、事件に向かう中で自然と関係性が浮き出てくる。だから意識しないでやっていこう、と話しています」とあくまで自然体で、これまで通り水谷と向き合っている。そして「ただ、僕自身はかつて『責任を持って主役をやってこい』と豊さんに送り出していただいたので、これまでの経験がきちんと亀山薫という役に生きればいいなと思っています」と真摯(しん)な態度を見せる。

水谷は「寺脇くんとは長く一緒に仕事しているので気心は知れていますが、やはり撮影になるとお互いそれぞれの世界を持って、きちんと緊張し合っていい距離感で対峙(たいじ)できる。だから今回も共演していて楽しいんです」と述べ、なれ合いではない役者同士の向き合い方を明かした。

また、20年以上にわたって演じてきた右京というキャラクターについて、水谷は「これも全く同じで、右京に関して意識して変えたことはないですね。シリーズも20年を超え、僕が『相棒』以外で過ごしてきた“何か”もにじみ出ると思いますし、変わるところは自然に変わっていくことでしょう」と、変化しつつも確固たる芯があることを示唆。さらに「僕自身、右京という人物に好きなところが一つあるのですが、それは“彼の正義”を貫いていること。彼の正義とは、犯人を捕まえることです。スタート当初からそうなのですが、右京は決して奇麗事は言わない。確か、亀山くんをだましてまで、犯人を追い詰める回もありましたよね。僕はそこに右京の価値観があると考えます。き奇麗事や正論だけを振りかざす右京だったら、もっとつまらない男になっていただろうなと思います」と魅力を分析した。

これには、寺脇も「右京さんって間違ったことは言わない人ですが、かといって壁を作るわけではなく、いいものは受け入れて、きちんと“いい”と言ってくれる。だからこそ、右京さんは僕が卒業した後の3人の相棒それぞれに、多少なりとも影響を受けているはずだと思うんです。それは離れていたから、感じるところでしょうか」と一番近くから一度は離れ、再び隣に身を置く立場から見た“右京像”を語った。

season22では、特命係が1人の女性に頼まれ、人捜しを始めるところから物語が幕を開ける。その謎の人物は、日本を震撼(しんかん)させた重大事件とつながっていると判明し、特命係は危険な潜入捜査をすることに。そして幾重にもからまる事件の深層には、あまりに巨大な陰謀が潜んでいる。今シーズンもスリリングな展開に注目だ。

そんな謎に満ちた始まりに、水谷は「到底、想像しきれない予想外の事態が起きるのが『相棒』なんです。新シーズンでどんなことが起きるのか、われわれもとても楽しみにしているんです。客観的に見るとそれこそが『相棒』が続く理由ではないかと思っています」と、笑顔で新たなる「相棒」ワールドへの期待を告白した。

復活から2年目のシーズンとなる寺脇は、「新鮮な気持ちで一から挑んでいきたいと思っています。俳優は『本番スタート』の声がかかるギリギリまで、もっと何かできることはないかと探し求め、その時々のベストを出す。これは豊さんからの“教え”なのですが、僕は毎シーン、これを突き詰めていく。そこだけは絶対に変えないでいようと心に決めています」と全身全霊を傾けることを宣言。

加えて「僕は初めて脚本を読む瞬間をとても大事にしていて、前もって次のストーリーがどんな設定かなど聞かないんです。一枚一枚ページをめくりながら、自分の内側からどんなイメージが出てくるか、先入観なく読み進めていきたい。だからどんなシーズンになるかというより、右京と薫に何が起こるのか、丁寧に脚本を読み込み、いいイメージが湧くように自分も切磋琢磨(せっさたくま)していきたいと思っています」と強い決意をみなぎらせている。

今シーズンも、長年シリーズを彩ってきた名キャラクターたちは健在。

思惑が見えない警察庁長官官房付の甲斐峯秋(石坂浩二)。甲斐が狙うは自身の権力復活か、それとも組織の改革か!? 特命係を敵視する野心家の警視庁副総監・衣笠藤治(杉本哲太)。“鉄の女”の異名を持つ内閣情報調査室トップである社美彌子(仲間由紀恵)。食えない面々が静かに暗躍する。

おなじみの警視庁捜査一課刑事・伊丹憲一(川原和久)、芹沢慶二(山中崇史)、出雲麗音(篠原ゆき子)や、薬物銃器対策課の課長・角田六郎(山西惇)、小料理店「こてまり」のおかみ・小出茉梨(森口瑤子)、薫の妻でジャーナリストの美和子(鈴木砂羽)も登場し、物語を彩る。

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