ILCの関連予算10.5億円要求 文部科学省2024年度

 【東京支社】文部科学省は30日、2024年度予算の概算要求を発表した。本県の北上山地(北上高地)が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)関連は、23年度当初予算から8千万円増の10億5千万円を計上した。 

 将来加速器の性能向上に向けた重要要素技術開発費として、23年度と同額の7億円を盛り込んだ。先月発足したILCテクノロジーネットワークによる国際的な協力枠組みを最大限活用して取り組みを進める。

 主に▽多量の電子・陽電子を効率的に作り出す粒子発生技術▽電子と陽電子を衝突に必要なエネルギーに達するまで加速させる超伝導加速空洞技術▽衝突の確率を高めるためビームを絞り込むナノビーム収束技術-の開発に力を入れる。将来を担う若手研究者の育成に役立つ研究開発も支援する。

 このほか高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)の運営交付金として、23年度比8千万円増の3億5千万円を計上した。

© 株式会社岩手日報社