承認欲求のため薬の副作用で皮膚病を罹患 暴走する自己愛 「シック・オブ・マイセルフ」予告

2023年10月13日より劇場公開される、クリストファー・ボルグリが脚本・監督を務めた映画「シック・オブ・マイセルフ」の、予告編と本ビジュアルが公開された。

予告編は、「ミッドサマー」のアリ・アスター監督による「悪魔のようなクリエイターによるグロテスクで底意地の悪い作品だ」という賛辞から始まる。主人公シグネは、有名なアーティストになりつつある恋人トーマスに対し、嫉妬と焦りを感じている。何者にもなれないシグネは、注目されるために危険な違法薬物に手を出してしまう。薬の副作用により皮膚病を罹患したシグネは“マイノリティ”として同情と好奇の目を向けられるとともにメディアの注目を集め、新聞や雑誌のトップを飾るようになるが。最後には「最狂の承認欲求モンスター誕生。」のキャッチコピーが映し出される。

本ビジュアルのデザインは、ティザーに引き続き大島依提亜が手がけた。鮮やかなサーモンピンクのパーカーに身を包み、彼女の手と首は皮膚の疾患でただれ、顔面をマスクで覆ったシグネが自撮りしようとする姿が切り取られている。ポップなパステル調のロゴタイプと違和感にあふれるシグネの姿との組み合わせが、不安感をあおるデザインとなっている。

「シック・オブ・マイセルフ」は、破滅的な自己愛を描いた“セルフラブ”ストーリー。シグネの人生は行き詰まっていた。長年、競争関係にあった恋人のトマスがアーティストとして脚光を浴びると、激しい嫉妬心と焦燥感に駆られたシグネは、自身が注目されるための”自分らしさ”を手に入れるため、ある違法薬物に手を出す。薬の副作用で入院することとなり、恋人からの関心を勝ち取ったシグネだったが、その欲望はますますエスカレートしていく。

少なからず誰もが持つ承認欲求を切り口に、何者にもなれない主人公がうそや誇張を重ね、人に注目されるための方法を追い求めるあまりに自身を見失っていく姿を、シニカルかつ極端なまでにコミカルに映し出す。脚本・監督を務めたクリストファー・ボルグリは、本作が長編2作目。次回作「Dream Scenario」が、A24製作、ニコラス・ケイジ主演、「ミッドサマー」のアリ・アスターによるプロデュースで製作されることが発表されている。滑稽なまでの自己顕示欲を体現するのは、北欧を中心に話題作への出演作が続くクリスティン・クヤトゥ・ソープ。

【作品情報】
シック・オブ・マイセルフ
2023年10月13日(金)、新宿武蔵野館、渋谷ホワイトシネクイントほかロードショー
配給:クロックワークス
© Oslo Pictures / Garagefilm / Film I Väst 2022

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