【熱海土石流】起点の土砂撤去終わり住民に現場を公開 9月1日に警戒区域解除へ(静岡・熱海市)

静岡・熱海市の土石流災害で、県が行政代執行で進めていた土石流の起点部分の土砂の撤去工事が終わり、8月31日、被災者らに公開されました。

(岩崎 大地 記者)

「熱海土石流の発生から2年2ヵ月、ようやく起点部分に残った土砂の撤去工事が終わり、これから住民に公開されます」

2021年に発生し、災害関連死を含め28人が犠牲となった熱海市の土石流災害。県は、土石流の起点となった逢初川の源頭部に残った不安定な土砂の撤去工事を、2022年10月から行政代執行により進め、8月26日、排水対策や斜面の緑化などを含めたすべての工事が完了しました。

これを受け、31日、希望した被災者や地元住民、約100人に工事が完了した現場が公開され、被災者らは、約40分間にわたり、県の職員から、工事の概要やのり面の安定性などについて説明を受けました。現場を見た被災者や住民からは様々な意見が…。

(被災者)

「土砂は少なくなっているけど、全部なくなったわけではない、これで安心しろと言われても納得できない。この先の安全や健康を誰が保証してくれるのか疑問」

(地域住民)

「地域住民が前向きに復興していくために、説明会を分かりやすいかたちでやってくれたのは、半分くらいは前進した」

また、県は、行政代執行にかかった費用11億円について、前の土地所有者に請求するとしています。

(県くらし環境部 光信 紀彦 理事)

「一定の安全は確保されたものと考えている、これから住み続けても大丈夫だと、しっかり説明していければ」

一方、熱海市は、源頭部の土砂の撤去工事が終わり、砂防ダムが完成したことから、被災以降、約2年間に渡って、原則立ち入りを制限していた伊豆山地区の警戒区域を9月1日、解除します。9月1日を前に住民は…

(地域住民)

「これでワンステップ先に進める。この日を待ちに待っていた人もいる。警戒区域解除となっても、これが第1歩で、これからの方がより重要」

土石流発生から2年2か月。被災者は、それぞれの葛藤の中、9月1日の帰宅の日を迎えます。

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