金が過去最高値を更新 静岡・土肥金山「世界最大の金塊」も人気に!この価格高騰はいつまで?またガソリン高騰との関連は?専門家に聞く

金の価格が過去最高を更新し、初めて1グラム当たり1万円を超えました。価格高騰を受け、金にゆかりのある施設や買取店では客足が伸びています。この価格高騰はいつまで続くのでしょうか?

金の価格高騰を受け、多くの観光客で賑わっているのが、静岡・伊豆市土肥の土肥金山です。こちらの施設は、砂金取り体験や金の採掘で栄えた時代を振り返る展示物がある、まさに金の「テーマパーク」です。

訪れる人たちの目的はこちら、重さ250キロの金塊に直接触れられるコーナーです。価格高騰による現在のお値段は…

(土肥金山 営業 浅賀 涼太さん )

「きょうの金の価格が(1g)1万95円になります、きょうの価格で25億2300万円」

この金塊は、ギネス世界記録に認められている、世界最大の金塊で、訪れた人たちは、次々に金塊に触れながら、金の感触を楽しんでいました。

(来館者)

「つるつるだった」

「持ち上がらない、持ち上がれば持って帰りたい」

価格高騰の話題を受け、土肥金山では入館者が3割程増えているということです。一方、金を売りに出す人も…。藤枝市にあるブランド品などを買い取る専門店。夏は業界全体で閑散期だという事ですが…。

(エコリング藤枝店 二神 健 店長)

「通常ですと買取業界は、8月は閑散期といわれているが、閑散期の割には金相場の高騰の影響もあり、来店数や金の持ち込みも増えている」

8月31日も、午前中に2人が、金でできたネックレスなどを売りに来ていました。店長によると、来店した人の中には「金の相場が高騰したため、いまが売り時」だと感じた人が多いと言う事です。

(エコリング藤枝店 二神 健 店長)

「10年前でしたら恐らく(現在の金相場より)3分の1から4分の1程度、そのくらい金が高い状況」「私も十数年、この買取業に従事しているが、本当にいまが一番高いのは事実ですので、間違いなく売り時だと思う」

高値で取引される金ですが、なぜいま高騰しているのでしょうか?専門家に聞きました。

(静岡経済研究所 恒友 仁 専務理事)

「金価格が上昇している背景を考えるには、いまの経済環境を考える必要がある、日本だけでなく、世界全体で先行きが不透明である、物価が継続的に上がっている、いわゆるインフレーション、これも世界共通で起こっている、日本だけでみると円安が進行している」

経済環境に加えて、金の性質が価格高騰に関わっているといいます。

(静岡経済研究所 恒友 仁 専務理事)

「世界共通の価値になっていて、ある程度限られた資産であるため、何かあっても価値がゼロにならない安全資産である」「2つ目として実物資産、物価上昇(インフレ)に強い」「3つ目として為替の影響を受けやすい資産、円安が進行しているため金価格にサポート材料となっている」

では今後、金とどのように付き合っていけばよいのでしょうか。

(静岡経済研究所 恒友 仁 専務理事)

「金価格はこのペースでずっと右肩というわけではない、上がり方がマイルドになっていくと思う、急に円高に振れた際は、金価格も急落する可能性は常に考えておかなければいけないと思う」

一方で、金と同じく高騰しているのがガソリン価格です。レギュラーガソリンの価格は、全国平均で1リットルあたり185.6円と15週連続で値上がりしており、過去最高値を更新しています。専門家によりますと、本来、金価格とガソリン価格は相反するもので、同時に高騰することはあまりないといます。それでもガソリンが高騰している理由は、金と同じく、円安が進んでいることが大きく影響しているということです。今後、ガソリン価格はどうなるのか聞いたところ、ガソリン価格は「経済が落ち込むと下落する」ということです。今後、世界経済全体は減速していく可能性があり、為替についても、2024年以降、日米の金利差が縮小し円安が落ち着く見込みであるため、ガソリン価格が落ち着くのは来年以降になりそうだとということです。

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