【リニア】国の有識者会議で生態系について議論 静岡県は動植物への影響懸念もJR東海は「高山植物に影響ない」との見解 30日

30日、リニア新幹線の工事に伴う南アルプスの環境への影響を議論する、国の有識者会議が開かれ、JR東海は「トンネル掘削工事をしても高山植物に影響は及ばない」との見解を示しました。

JR東海は、リニア新幹線のトンネル工事により、南アルプスの地下水が低下する予測を示していて、静岡県は絶滅の恐れがある動植物への影響を懸念しています。国が設置した有識者会議では「水辺の生物」や「高山植物」に与える影響など、3つの論点について議論が続けられています。

30日の会議でJR東海は、リニア工事に伴うトンネル掘削工事による地下水の変化が高山植物に与える影響について説明しました。その中で、JR東海は、土壌調査などの結果、高山植物が生きるために利用しているのは地表付近の水であり、また、地下水が地表付近に供給されているとは考えづらいとして、トンネル掘削工事で「高山植物に影響は及ばない」との見解を示しました。また、会議の終盤には、「沢の流量減少が、生物に与える影響の予測」を求めた県に対し、委員からは「全ての生物への影響を結論づけるのは不可能で、会議の目的は生態系への影響を最小限に抑えることだ」と県の姿勢を正す場面もありました。

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