<ライブレポート>2PM イ・ジュノの5年ぶりツアー終幕、計26曲でHottestたちとの再会を噛みしめる

ソロデビュー10周年を迎えた2PMイ・ジュノの約5年ぶりのツアー【LEE JUNHO Arena Tour 2023 “また会える日”】が、8月27日に愛知・日本ガイシホールで終幕した。本公演は全国の映画館でライブビューイング&ライブ配信、そして韓国でも生中継された。

主演ドラマ『キング・ザ・ランド』のグローバル人気、そしてスペシャル・シングル『Can I』の発売など、話題が尽きないジュノは、横浜、神戸そして名古屋の計6日間にわたり、Hottestたち(ファンの愛称)と熱い夏の夜を過ごした。最終日は約3時間半に及ぶボリュームで、ジュノそしてHottestが再会の喜びを噛みしめた。

連日猛暑が続くなか、スクリーンには水の中に沈む懐中時計が映し出され、いくばくか涼しさが感じられた。開演時間になると時計の針が戻りはじめ、ジュノの「この日をずっと待っていた」という想いを最も表現する「また会える日」が流れる。<時代も距離も越えて 想いに引き寄せられためぐり逢い 君への気持ちは今も 僕の胸を熱くするよ 君も同じでしょ?>を確かめるように、曲の中盤にセンターステージにゆっくりとジュノが登場。黄色い声援で迎えられたジュノは右、前、左、上をぐるりと見渡す。再会の瞬間を彼もまた瞳の奥に閉じ込めた。

光が作る花道を通ってメインステージに進むと、光の扉が開き、ステージ頭上へ上昇。出だしから幻想的な世界に引き込んでいったジュノだったが、マスクをかぶったダンサー4人を交えて刺々しい「Pressure」へと一転する。雷や激しいバンドプレイがミックスして、アーティストとしての苦悩や使命感がヒシヒシと伝わってきた。

「名古屋、are you ready?」とオーディエンスを一気にハイプアップさせる「HYPER」では総勢16名のダンサーを引き連れる“俺様ジュノ”が登場。「盛り上がっていきましょう!」と視覚からも聴覚からも挑発的な彼らしいパフォーマンスが届けられた。

“イ・ジュノ”コールが響き「【また会える日】ツアー名古屋にお越しの皆さん、ようこそ。こんばんは、イ・ジュノです」と挨拶すると、割れんばかりの歓声がエコーする。「めっちゃ暑いね。今日の公演が最後だから、普段よりもっと盛りあげて、必死に歌って踊って“勝手に”やります!」と堂々宣言し、客席も「いい感じ~!」と準備万端だ。光沢感あるスーツとジュエリーが輝き、エレガントにネクタイと第一ボタンを緩めるシーンや二の腕をチラ見せする場面で見る者をときめかせる「Nobody Else」、恋する気持ちの高ぶりを美しいファルセットとピアノの音色で表現する「Fire」の2曲で、ジュノからにじみ出る余裕のある色気がロマンティックな雰囲気を醸し出した。

しかし浮気癖のある悪い男が登場するロックナンバー「CRUSH」が先ほどまでのとびきり甘い時間を覆し、感性を刺激。「WOW」で再び俺様ジュノが開花し、アクセル全開のダンスにオーディエンスもノリノリだ。「今日の雰囲気もいい感じです。皆さんが僕のことを待っていてくれて、僕に会いたいという気持ちを持っていてくれるだけで楽しいです」と本人もたいそう気分がよさそうだった。

MCでは、表舞台から遠ざかっていた期間に「どんな気持ちでまた皆さんの前に戻ればいいのか、自分自身と相談(自問自答)したんです。皆さんの前に早く戻りたい気持ちはあったんですけど、何も変わっていないまま戻ったらダメだと思いました。ちょうど今年で10周年、ソロ歌手として元気な姿をお見せしたかったんです。待っていてくださってありがとうございます」と、長い間、変わらぬ愛と応援を送り続けてくれたHottestへの感謝の気持ちが述べられた。

ここで「暑いから」とジャケットを脱ぎ、たくましい二の腕が披露されると、興奮交じりの歓声が広がる。柱に見立てたライティングが目を引いた「INSANE」では、恋人の裏切りに対する怒りと悲しみを歌声、表情、そしてダンスで感情豊かに描き出し、最後には倒れこむ演出でドラマチックに表現。イヤモニを外して、イ・ジュノコールを耳に入れたジュノは「結構危ない歌詞の内容で、僕は全然わからないんですが……」ととぼけて笑いを誘った。

オーディエンス参加型の「SO GOOD」で会場の空気をポップに切り替え、そのまま「FEEL」に突入。ダンサーの間を抜けながら自由に踊る姿、そして指先、つま先まで意識したダンスは視線を一身に集めた。「Roller coaster」ではダンサーと一列になり、ジェットコースターに見立ててテンポよく上昇。ジュノの投げキッス、客席に下りるファンサービスによって会場の熱気は最高潮に。立て続けのダンスナンバーと熱気を浴びて、ジュノも汗だく状態になたが、そんな姿も「かわいい!」「カッコいい!」と大好評だった。

会場の温度が一気に上がったところで、再び落ち着いて聞かせるコーナーへ。「僕が大好きな曲。皆さんに聞いてほしい曲です」とセレクトされたのは「Darling」と「Nothing But You」。どちらも結婚(marry)という言葉が共通するラブソングだ。伸びやかな歌声が引き立つ後者は2019年に公開された初主演映画『薔薇とチューリップ』の主題歌で、「生で聞いてもらう機会が今までなかったので、今回準備しました」とライブ初披露に向けて用意されたジュノ渾身の一曲。「僕の気持ちを込めて作った曲です」と次に披露された「I love you」もジュノの優しい歌声が特に合うバラードで、<ラララララ♪>に合わせて黄色いペンライトが左右に揺れ、幸せに満ちたひとときが流れた。

ソロ活動初期から楽曲制作してきたジュノは、「僕はこんな人なんだというメッセージを皆さんに伝えたいという気持ちで(10年前に)デビューしました。10年前の僕は子供みたいなガキっぽさが可愛かったと思います」と当時を振り返る。「今も可愛い? 皆さんの応援のおかげで、今の僕は結構カッコよくなりました」と照れ笑いするジュノに拍手が送られた。

「これからの僕がどんなメッセージを伝えていくのか、どんな道を作っていくのか、どんな人間になるのかわからないけれど、ずっといい人でありたい、元気な精神と体で皆さんのそばにいたいです。歌手としても俳優としても、いろんな形で皆さんの前にいたいです」と語り、「完璧な姿を見せたくて悩んでしまいます。でも、また皆さんの前に立つ“また会える日”では、今よりカッコよくて、素敵な姿で挨拶します(お会いします)。10周年おめでとう。応援してくれて、愛してくださって、今までありがとうございました!」と包み隠さず告白するジュノは、彼を見つめる四方八方のHottestに深々とお辞儀をし、Hottestも歓声と拍手で応えた。

ここで会場に2PMのJun. Kとニックンがいることが判明。スクリーンに映し出された二人はツアーグッズのタオルを掲げてジュノへの愛をアピールする。“2PM”コールのなか、ジュノが「ミンジュン兄さん、(歌う)準備はできてる?」とドッキリを仕掛けるとJun. Kは「ジュノ頑張ってー!」と叫んでなんとか回避。続けて一言求められたニックンが「キヨウォ~(可愛い)!」と叫ぶと、“キヨウォ”コールが自然発生するという一幕も見られた(照れるジュノだが、愛嬌で会場を沸かせた)。

恥ずかしさに耐え切れず「もう、わかったよ!」と本ツアーの恒例となったバンドメンバーとの楽曲バトルへ。セットリストにない曲を演奏し、ジュノがどこまで歌えるかを競うコーナーで、「今日は負けない!」と準備周到のジュノは「Don’t tease me」「行かないで~No No No~」「君がいれば」「THE LAST NIGHT」をほぼ完璧に攻略した。

息の合ったバンドメンバーとともに「キミの声」「HEY YOU」「SAY YES」を全身全霊で届けるジュノ。ファンと視線を交わしたりジャンプしたりシャウトしたりと、本人も含めて会場にいる全員が音の波にのみ込まれた。

上下デニムにタンクトップと少しカジュアルダウンした衣装に身を包んだジュノは「SET ME FREE」で第二幕をスタート。綿あめのような甘い時間が流れた「Love Song」の後は、「Zero Point」の両人差し指をちょんちょんして、きゅっとウィンクする姿にキュン死にするHottestが続出。5回ものおねだりに全力で応えるジュノにこの日一番の歓声が沸き起こり、「いい加減にしろよ~。残りの時間もこれだけにする?」と嬉し恥ずかし気味のジュノだった。

恒例のハードなダンスナンバー「DSMN」「All Day」で再び大勢のダンサーを従えてセンターで踊るジュノの姿はまさにボス、キングのよう。同時に、今後も変わらず自分のスタイルを貫いていくことも感じられた。

ツアーTシャツに着替えて登場したジュノは「一緒に過ごした時間」に込められた想いを一語一語、丁寧に届けていく。<何処にいても どんな時も 忘れないよ きっと逢える>という歌詞のように、ジュノから歌を通して再会の約束が交わされたような気がした。

と、ここで、ジュノの過去の映像や手書きのメッセージを交えた特別映像が流れる。ファンに向けて感謝の涙を流す過去の自分を見て照れ笑いするジュノ。客席を振り返ると「JUNHO 10周年おめでとう!」のスローガンの海が広がっていた。「この10周年のライブで一番カッコいい自分の姿を見せることだけを考えていましたが、今の映像と歓声を浴びて思ったのは……僕と皆さん、僕たち結構うまくやってきたなってことです。この感動の気持ちを他の言葉では表せないです。この瞬間まで僕と一緒にいてくれて本当にありがとうございます」と真心を届けた。ラストはイ・ナツらしさ全開の「Ice Cream」で、お得意の指ハート、腕ハート、そしてとびっきりの笑顔でステージを後にしたジュノ。この後にはMVから飛び出したかのようなクールなビジュアルで「Can I」をステージ披露し、ダンサーに持ち上げられたりと、ファンが歓喜するシーンを再現して、最後の最後までHottestたちを魅了した。

Text by Mariko Ikitake
Photos by 田中聖太郎

◎セットリスト
【LEE JUNHO Arena Tour 2023 “また会える日”】
※2023年8月27日、愛知・日本ガイシホール公演
1. また会える日
2. Pressure
3. HYPER
4. Nobody Else
5. Fire
6. CRUSH
7. WOW
8. INSANE
9. SO GOOD
10. FEEL
11. Roller coaster
12. Darling
13. Nothing But You
14. I love you
15. キミの声
16. HEY YOU
17. SAY YES
18. SET ME FREE
19. Like a star
20. Love Song
21. Zero Point
22. DSMN
23. All Day
24. 一緒に過ごした時間
25. Ice Cream
26. Can I

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