処理水海洋放出開始から1週間 宮城県の消費者と漁業関係者は

東京電力福島第一原発にたまる処理水の海洋放出が始まって31日で1週間です。これまでのところトラブルはありませんが、宮城県の水産物の値下がりなど風評被害への懸念は収まりません。

東京電力は、24日から福島第一原発でたまる処理水の海への放出を始めました。

東京電力によりますと、これまでのところトラブルは無く周辺海域の海水のトリチウム濃度は検出できる下限の濃度を下回っています。

処理水放出を消費者はどう受けとめているのでしょうか。みやぎ生協の店舗には、宮城県産のホヤやサバ、メカブなどが並んでいます。

「発表ではそれほど影響が無いということで、私は心配していません。(処理水の海洋放出は)しょうがないことじゃないですか。いつまでも長引かせるものではない」「なるべく東北人なので、東北産のものはよく買いに来ます。(処理水放出の影響は)そんなに気にはしていなかったですね。普通に魚も買っているし」

消費者も処理水放出に伴う風評被害を心配していました。

「風評被害を払拭するような政府の声掛け、アピールをどんどんやっていかなくちゃいけない。風評被害は起きてはいけないことだと思う。(福島産などを)当たり前に買って、当たり前に食べます」

一方、宮城県の水産関係者には影響が出ています。石巻市の水産加工会社ヤマナカでは、養殖ホタテの加工品を香港に輸出していましたが、処理水放出の影響で取引停止となりました。

ヤマナカ千葉賢也社長「(処理水は)安全であるからこそ、なぜこういった国の決定になるのかというのが正直個人的には疑問でして」

輸出停止による影響のほか、国内でも宮城県産のホタテの取引を控える動きが出ていると言います。

ヤマナカ千葉賢也社長「国内市場でさえも、宮城県産の特にホタテを一旦ちょっと様子を見させてくださいという声が比較的多かったので。そこはちょっと驚きでした」

出荷できないホタテは在庫として残っている状況で、ヤマナカでは、東南アジアや中東への新たな販路の拡大を進めています。

ヤマナカ千葉賢也社長「(企業として)どうしてもどうにもならないというような問題が、出てくるのかなと思ってます。我々も最大限努力しますので、(政府には)バックアップ、サポートをいただければ」

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