大阪メトロ中央線の新メロディ、万博に向け制作委員会が発足

大阪の地下鉄「Osaka Metro」が、2025年開催予定の『大阪・関西万博』に向けて中央線の列車接近・発車メロディの変更を発表。8月30日、「大阪市高速電気軌道」本社(大阪市西区)にて、第1回目となる制作委員会が開かれた。

第1回「中央線 列車接近・発車メロディ 制作委員会」の様子(30日・大阪市内)

■ 変更は約34年ぶり、音の専門家たちが参加

住之江区の「コスモスクエア駅」から東大阪市の「長田駅」まで、全14駅を結ぶ中央線。大阪・関西万博にともない開通予定の「夢洲駅」が誕生すれば、万博会場へと直接乗り入れる唯一の沿線になる。

現在流れている列車接近メロディは1989年、発車メロディは1990年から中央線含む各路線で使用されており、変更は今回が初だという(長堀鶴見緑地線・ニュートラムをのぞく)。

制作委員会にはアーティストで長堀鶴見緑地線の列車接近・発車メロディ制作に携わった「京都芸術大学」名誉教授の藤本由紀夫氏や、「関空特急はるか」の発着メロディや『たこ昌』のCMソングなどを手がけたサウンドデザイナー・西谷喜久氏をはじめとした「音」の専門家たちが参加。今後はコンセプトや音響など、さまざまな面から議論を進めていく。

6月25日に運行スタートした「Osaka Metro」中央線の新型車両400系

■ 「海・未来・夢」「山・みどり・いのち」をイメージ

メロディは開通予定の夢洲方面と長田(近鉄・けいはんな線乗り入れ)方面、それぞれで制作される予定。会議では、夢洲方面(上り線)が「海・未来・夢」、長田方面(下り線)が「山・みどり・いのち」といった沿線のイメージに合わせたメロディも、例として挙げられていた。

委員会の始動に際し、制作委員長をつとめる「九州大学」名誉教授・岩宮眞一郎氏と社内委員の江口清司氏は、「まずは万博に来られるお客さまが、ワクワクしながら来場できることを目的にしています。将来的には『ここで万博があったんだな』ということを音で感じていただけるように、レガシーとして残していきたいです」とコメントしている。

委員会は今後6回に分けておこなわれ、メロディの完成は来年9月を予定している。音源は3パターンほど制作され、市民からの意見を求める場もウェブ上などで設けるという。

取材・文・写真/つちだ四郎

© 株式会社京阪神エルマガジン社