「ゆりあ先生の赤い糸」鈴鹿央士、木戸大聖、田中哲司が菅野美穂を翻弄する男性役

テレビ朝日系で10月にスタートする連続ドラマ「ゆりあ先生の赤い糸」(木曜午後9:00。開始日未定)に鈴鹿央士、木戸大聖、田中哲司が出演。菅野美穂が演じる主人公・伊沢ゆりあを翻弄(ほんろう)する男性たちを演じる。

「ゆりあ先生の赤い糸」の原作は、今年の「第27回手塚治虫文化賞」で「マンガ大賞」に輝いた入江喜和氏の同名漫画。これまでのヒロインドラマでは、強い女やカッコいい女など、痛快な女性像を描き、時代をけん引してきたが、本作では“かつてない地味でタフで明るい平凡な主婦ヒロイン”が、自らの人生、さらにはホームドラマの新たな可能性を果敢に開拓していく。脚本を手掛けるのは「僕の生きる道」シリーズや「フリーター、家を買う。」(ともにフジテレビ系)、向田邦子賞を受賞した「モコミ〜彼女ちょっとヘンだけど〜」(テレビ朝日系)など、珠玉の社会派ヒューマンドラマを多数放ってきた橋部敦子氏。

ゆりあは、心優しい売れない小説家と結婚した主婦。年齢を重ね、女として薄らいでいく自分を実感するものの、自宅で刺しゅう教室を開きながら、穏やかな幸せを味わっている、ごくごく平凡な女性だ。ところが、そんな彼女の人生は、夫がホテルで昏倒し、緊急搬送されたことから急展開。慌てて病院に駆けつけると、意識不明状態となった夫の傍らには、さめざめと泣きながら“恋人”だと名乗る美青年がいた。長年連れ添った夫の“思いもよらない別の顔”を突きつけられ、がく然とするゆりあ。しかし、降って湧いた問題はそれだけではなかった。出口の見えない夫の介護に加え、なんと夫を「パパ」と呼ぶ2人の女の子と、その母親である“夫の彼女”までも出現するという、全く想像したことがなかった局面に次々と直面してしまう。

「カッコよく生きる」が座右の銘で、幼い頃のあだ名は「おっさん」――そんな愚直で辛抱強いゆりあは、ここで心が折れてしまう女性ではなかった。なんと「みんなでダンナの介護をしよう!」と奇想天外な提案をし、夫の愛人2人、血のつながらない子ども2人も家に招き入れて、奇妙な共同生活を始めることに。さらに、そんな数奇な人生の渦中で踏ん張り続けるゆりあに、やがて二度とないと思っていた、新たな恋の予感まで到来する。

鈴鹿が演じるのは、ゆりあの夫・伊沢吾良(田中)の“彼氏”である箭内稟久。超クールなイケメンで、彼の吾良に対する愛はとてつもなく熱い。そのありったけの愛を込めて吾良のことを「ゴロさん」と呼び、ゆりあや吾良の“彼女”の前でも堂々と愛情を露呈する。そんないちずな美青年を、鈴鹿が熱演する。

鈴鹿は「各キャラクターの個性が立っている上に、いろんな要素が入った『すごく面白くてすてきだな』と思う物語で、原作も一気に全巻読んでしまいました。しかも、大尊敬する先輩方と一緒に作品作りができるなんて…すごく楽しみだなと思いました」と率直な感想を述べ、役どころについて「物語が進むにつれ徐々に稟久のいろんな面が見えてくるのですが、どんな時も“ゴロさんが好き”という気持ちを軸に、突き進んでいければ…と、監督ともずっと話しているんです。ちょっとフワッとしていてつかみどころのない部分も含め、ちゃんと稟久の感情に寄り添って、うまく芝居で表現したいです。実は本読みの時に、菅野美穂さんから『(役に)ぴったりだね』と言っていただけたんです。自分ではまだ役をがっつりつかめた感じはなかったのですが、菅野さんの言葉でちょっとだけ自信がつきました(笑)」と安堵した様子。

そんな菅野の印象は「よくテレビで拝見していて、明るくて面白い方なのかなというイメージを抱いていたんですけど、今回初めてお会いして、さらにすてきな方だなと思いました。というのも、本読みやLGBTQ講習でも、菅野さんの質問やお話する内容が『いろんなことを考えて経験し、そこからまた自分で咀嚼(そしゃく)して…ということを実践されている方なのかな』と思わずにはいられないものだったんです。現場で過ごす時間をすごく楽しいものにしてくださる方のような気がして、期待が高まる一方です」と話し、彼氏である“ゴロさん”を演じる田中に対しては、「とても優しい方です。衣装合わせで初めてお会いしたのですが、その瞬間から田中さんが面白く盛り上げてくださったんです。いろいろお話させていただく中でも、本当に優しい方だなと思いました」と印象を明かした。

加えて、「もしかしたら隣の家でも同じようなことが起きているのかもしれないなって、すごくリアリティーも感じる作品です。皆さんに充実した秋をお届けできる、すごく面白いドラマになると思います。僕も頑張りますので、ぜひぜひよろしくお願いします!」と呼び掛けている。

木戸が演じるのは、自宅で夫の介護をすることになったゆりあの家の改装を請け負う便利屋さん・伴優弥。通称・伴ちゃん。自分の気持ちに正直で裏表がない誠実な男で、妻と別居中で一人息子のワンオペ育児に奮闘中だが、ゆりあから刺しゅうを習うようになり、恋心を抱いていく。

木戸は「僕はもともとドラマがすごく大好きで、この世界に興味を持った部分もあって、ずっとドラマに出たいと思いながら、お仕事をさせていただいてきたんです。なので、素直にうれしかったです。また、原作を読ませていただいて、伴ちゃんの裏表がない部分や、すごく少年のような人だけど、お父さんとしての自覚もちゃんと持っているところが、すごく好きだったんです。そういうド直球な彼の姿がすごくいとおしくて、応援したくなるような存在でした。そんな役を演じられる喜びも同時にあったので、今すごくワクワクしてます!」と意気込み、「僕は子どもが大好きなので、息子の優里亜とどんな親子像を描いていけるかな…というのも楽しみの一つ。父親役は初めてなので緊張する部分もありますが、気負いすぎると変な感じになりそうな気がするので(笑)、一緒に親子を演じることを楽しんでいけたらいいなと思います」とコメント。

さらに、主人公・ゆりあと恋の予感もある役どころに関して、「僕も原作を読んで『え? ゆりあさんとこんなふうになっていくの!?』という奇想天外な驚きがあって、面白いなと思いました。ドラマ版でも、ゆりあさんと視聴者の皆さんにとって癒やしになる存在になれたらいいな、と思います」と述べ、恋の相手となる菅野の印象を「僕が小さい頃からテレビで拝見していて、特にバラエティー番組に出てらっしゃる時は、本当に明るい方だなと思っていたんです。今回、実際にお会いしたら『こんなにもテレビで見ていた印象と変わらない、そのままの明るさの方っているんだ!』と思うほど、すごくすてきな方で! 一緒にお話していても、こっちが楽しくなって、どんどん話したくなっちゃうほどです」と明かした。

続けて「『ゆりあ先生の赤い糸』は介護といった家族の中でも起こっている社会問題など、いろんな要素が詰まっていて、一見複雑なのかなと思うのですが、実際にはすごく明るくて見やすいハートフルなヒューマンドラマになっていると思います。ぜひ伴ちゃんとゆりあさんの関係がどうなっていくのかにも注目していただきながら、たくさんの方に見ていただけたらなと思います」と力を込めた。

そして、田中が扮(ふん)するゆりあの夫・吾良は小説家だが、一発当たった後は鳴かず飛ばず。現在は居酒屋をめぐるエッセーを執筆するため、毎晩飲み歩いている、誰に対しても優しく穏やかな男だ。ところがある日、突然、ホテルで倒れて意識不明となり、そのまま要介護状態に。しかも、“彼氏”と“彼女”がいることが判明。さらに“隠し子”の存在までも浮上する。

田中は「意識もない寝たきりの要介護者は演じたことがないので、ぜひトライしたいと思いました。容態にも徐々に段階がありますので、どういうさじ加減で表現していくか…ちょっと難しいお芝居になるのではないかと感じています。原作は今、6巻を読んでいるところなのですが、ゆりあさんがどんどん変化していくさまがすごく面白いです。とは言え、変化のおおもとは僕が演じる吾良にあるんですけど…」と苦笑し、「僕は原作や台本を読んだ時に、人間らしく愛らしいなと思ったんです。でもスタッフの皆さんのご意見を伺ったら、本当に“ろくでなし”だと感じているらしく…。『確かにそうだな』とその解釈もあるよなと。それでも人間味があり “かわいげのある吾良さん”にしたいです。というのも、僕は吾良さんの気持ちが分かるような気がします。心根が優しくて駄目な人っているじゃないですか。あのタイプですよ。こんなに優しい人は最近演じたことがないので、すごく楽しみです」と役づくりへの姿勢を見せる。

そんな、今までにない役どころを演じるにあたって「吾良さんは40~50代になって目覚めているので『そういうことがあるんだ!』と思いました。それだけ稟久に魅力があったということに加え、もともと吾良さんにもそういう可能性があったということなんでしょうけど…。今回は僕自身も、相手がすてき男子の鈴鹿央士くんなので、ドキッとしてしまうかもしれません(笑)。そういう意味では、心の準備はばっちりです!」と宣言。

初共演となる菅野には「思っていた通りのすてきな方でした。ただ、僕が旦那役でいいのかなって…(笑)。そこはちょっと頑張らなきゃいけないなと思いました」と謙遜し、「まず吾良さんに関しては、この先目覚めるのか、意識不明状態のままなのか…そこが第一の見どころです。作品全体としては、ゆりあさんを中心とした “めっちゃくちゃな人間関係”を楽しんでもらえたらうれしいです。ぜひ楽しみにしていてください」と思いを伝えている。

生きていれば何が起こるか分からない。人生100年時代の今、すべての人に“生きていく芯を創るきっかけ”を届ける、人生の応援歌ともいうべきヒューマンドラマに期待が高まる。

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