「裁判所にも必要ないと理解してもらいたい」袴田さん弁護団 検察提出の新証拠 却下求める意見書提出

静岡県旧清水市で一家4人が殺害されたいわゆる「袴田事件」の再審=裁判のやり直しをめぐり、弁護団は8月31日、検察が提出する新証拠を却下するよう静岡地裁に求めました。

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袴田巖さん(87)は1966年、旧清水市(現静岡市清水区)で一家4人が殺害された事件で、死刑が言い渡されていましたが、2023年3月、東京高裁が再審=裁判のやり直しを決定しました。

決定の中で、東京高裁は犯人のものとされた衣類について「ねつ造された可能性が高い」と指摘。しかし、検察は袴田さんの有罪を主張し、やり直し裁判の中で「5点の衣類」に関する法医学者の鑑定書など、新たな証拠を提出する方針を示していました。

弁護団は31日、こうした検察の主張はこれまでに十分審理された内容の蒸し返しだとして、静岡地裁に却下を求める意見書を提出しました。

<袴田事件弁護団 小川秀世弁護士>
「新証拠で赤みが残る場合があるなど、もう一度同じことを議論することは避け、早く決着をつけたい」

再審に向けた裁判所、検察、弁護団による次の三者協議は9月12日に予定されています。

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