【関東大震災100年】もし巨大地震が再来したら…神奈川の死者想定は最悪3万人超

神奈川県内の被害想定(最大震度と死者数)

 関東大震災と同じマグニチュード(M)8級の巨大地震が再び起きたら、どれほどの被害が生じるのか。神奈川県内の広範囲が震度7の激しい揺れに見舞われ、最悪の場合、死者が3万人を超えるという深刻な予測が示されている。

 県が2015年3月にまとめた被害想定によると、震度7となるのは横浜市と川崎市南部、藤沢、平塚、小田原市などで、相模原市や箱根町などでは震度6強が見込まれている。

 こうした強い揺れなどによる建物の全壊は39万3640棟と想定され、半壊の41万160棟と合わせると全建物の3分の1ほどが大きな被害を受ける。

 人的被害については、県内全体で死者が3万1550人に上る。その半数近い1万5110人が揺れによる倒壊が原因。次いで津波の1万2530人が多い。

 津波は、震源地に近い相模湾沿岸には地震の数分~10分ほどで到達するため、真夜中に地震が起きると逃げ遅れる不安が大きい。沿岸市町の犠牲者が多いのはそのためだ。

 一方、冬の夕方に地震が発生すると、出火件数が1540件と想定される。想定死者のうち1330人は火災が原因とされている。

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