母校・仙台育英“ロス”を告白 岩田寛の「悲しい」理由

首位と1打差2位発進(撮影/村上航)

◇国内男子◇フジサンケイクラシック 初日(31日)◇富士桜CC(山梨)◇7424yd(パー70)

岩田寛は今年の富士桜CCを「僕が出た中では一番難しいんじゃないかな」と表現する。深いラフ、すでに硬さが出てきたグリーン…。この日はフェアウェイキープ率38.462%(5/13)にとどまったが、「たまたま狙えるところにあってラッキーでした」とボギーなし。3アンダー「67」でトップと1打差の2位発進を決めた。

例年以上に深いラフにつかまるシーンが多くてもボギーなし(撮影/村上航)

14番(パー5)は「(スペースが)空いてたので…」と、林の中からキレイに脱出してパー。15番もティショットを右の林に曲げ、グリーン近くまで運べると思った2打目もミスした。それでも、60ydほどの3打目を50㎝につけて切り抜けた。

9年前に初優勝した富士桜(撮影/村上航)

2014年に初優勝を飾った思い出の富士桜CC。徐々に改造が施されるコースには「僕も(9年前とは)変わってますからね。一緒に成長していってます」。なんだか前向きな言葉を口にするが、昨年パー5でバーディを狙えた15番がパー4となったことには「悲しいですね」と本音が漏れる。

今も拠点は仙台で愛着たっぷり。野球も大好き(撮影/村上航)

「悲しい」気持ちは前週も味わったばかり。夏の甲子園(全国高校野球選手権大会)の決勝戦で母校の仙台育英高が神奈川・慶應義塾高に敗れて連覇を逃した。出場していた「KBCオーガスタ」のプロアマ表彰式と時間が重なり、視聴を再開したときには大量点を奪われていた。「ちょっと悲しくなって。育英ロス…」。思い出すと、いつも以上に声のトーンが下がってしまう。

「あと、もう1個ちょっと悲しいことがあって…」。自分から切り出した後で口をつぐみ、「あした良かったら、また話します」とニヤリ。“らしさ”全開でけむに巻き、練習グリーンへ向かった。(山梨県河口湖町/亀山泰宏)

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