嫌悪を感じるほど剥き出しで暴走する“自己愛”、病的なまでの“自己顕示欲”を描く『シック・オブ・マイセルフ』

『シック・オブ・マイセルフ』© Oslo Pictures / Garagefilm / Film I Väst 2022

暴走する自己愛に、嫌悪と共鳴が止まない“セルフラブ”メディケーション・ホラー『シック・オブ・マイセルフ』が、10月13日(金)より全国順次公開される。このたび、本ビジュアルと予告編、場面写真が解禁となった。

最狂の承認欲求モンスター誕生

現代を生きる女性たちの心を掴んだ『わたしは最悪。』が記憶に新しい北欧ノルウェー・オスロから、破滅的な自己愛を映し出した異色の“セルフラブ”ストーリーの怪作が誕生。少なからず誰もが持つ承認欲求を切り口に、何者にもなれない主人公が嘘や誇張を重ね、人に注目されるための術を追い求めるあまりに自身を見失っていく様を、シニカルにそして極端なまでにコミカルに映し出す。

「カンヌ国際映画祭」ある視点部門で絶賛されると、欧米を中心に世界の映画祭を席巻。アメリカでは小規模公開に関わらずスマッシュヒットを記録し、拡大上映されたことでも大きな話題を呼んだ。脚本・監督を務めたクリストファー・ボルグリは本作が長編2作目。早くも次回作『Dream Scenario』がA24 製作×ニコラス・ケイジ主演×『ミッドサマー』アリ・アスタープロデュースで製作されることが発表され話題を呼んでいる今後注目の新鋭。

度が過ぎ滑稽なまでの自己顕示欲を全身で体現するのは、現在北欧を中心に話題作への出演作が続く注目の俳優クリスティン・クヤトゥ・ソープ。彼女の病的なまでの自己顕示欲はどこまで膨れ上がっていくのか。そして、嫌悪を感じるほどに剥き出しで暴走する自己愛が彼女を誘う先にあるのは、幸福か、あるいは—。現代に巣食う羨望、嫉妬や欲望の「その先」を描いた寓話的ホラーが誕生した。

アリ・アスター「グロテスクで底意地の悪い作品」

予告編は、『ミッドサマー』のアリ・アスター監督による「悪魔のようなクリエイターによるグロテスクで底意地の悪い作品だ」という最高の賛辞から始まる。

クリスティン・クヤトゥ・ソープ演じる主人公シグネは、有名なアーティストになりつつある恋人トーマスに対し、嫉妬と焦りを感じている。何者にもなれないシグネは、注目されるために危険な違法薬物に手を出してしまう。薬の副作用により皮膚病を罹患したシグネは“マイノリティ”として同情と好奇の目を向けられるとともにメディアの注目を集め、新聞や雑誌のトップを飾るようになるが——。最後に映し出される「最狂の承認欲求モンスター誕生。」のキャッチコピーの通り、シグネが巻き起こす予測不能の展開を予感させる予告編が完成した。

本ビジュアルのデザインは、ティザーに引き続き大島依提亜が手がけたもの。鮮やかなサーモンピンクのパーカーに身を包み、顔面をマスクで覆ったシグネが自撮りしようとする姿を切り取っている。彼女の手と首は皮膚の疾患で爛れている。スマホで隠されたその目に映るものは——。ポップなパステル調のロゴタイプと違和感満載のシグネの姿との組み合わせが、見る者の不安感を煽るようなデザインとなった。

『シック・オブ・マイセルフ』は10月13日(金)より新宿武蔵野館、渋谷ホワイトシネクイントほかロードショー

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