フリマアプリ監視強化 無断増殖とみられる苗の取引で農研機構

メルカリなどのフリーマーケットアプリ上で種苗法違反の無断増殖とみられる種苗が取引されている問題を巡り、農研機構は31日、弁理士法人と連携してフリマアプリの監視を強化すると発表した。悪質な出品者には、刑事告訴や民事訴訟といった法的措置を取る。

果樹やサツマイモ、イチゴなど、種苗の増殖が簡単にできる品目の登録品種を主な監視の対象にする。種苗法では、登録品種の苗の増殖・販売には育成者の許諾が必要。だがフリマアプリ上では、同機構が育成したブドウ「シャインマスカット」やサツマイモ「べにはるか」などの無断増殖とみられる種苗の出品が目立っていた。

同機構によると、従来は機構の担当課がアプリの監視をしていたが、違反の疑いのある出品が多く、確認しきれていなかった。知的財産の専門家である弁理士の協力で、より緻密に把握。違反の疑いがある出品件数を品種ごとにまとめ、今後の対応を検討する。アプリの運営企業にも協力を求める。

本紙

「農家の特報班」

は6月、フリマアプリで無断増殖とみられるサツマイモ苗が多数取引されている問題を報道。同機構には農家から対応を求める声が寄せられたという。同機構は「正規の手段で種苗を入手した農家が不公平と感じないよう、違反に対処していく」(知的財産部)と話す。

農家の特報班
その苗、違法かも… フリマアプリに登録品種のサツマイモ
フリマアプリでのサツマイモ苗販売 後絶たぬ違法取引なぜ

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