全産業の経常利益、過去最大 4~6月、11%増の31兆円

トヨタ自動車九州宮田工場の生産ライン=2022年12月、福岡県宮若市

 財務省が1日発表した4~6月期の法人企業統計は、金融・保険業を除く全産業の経常利益が前年同期比11.6%増の31兆6061億円だった。増加は2四半期連続で、四半期ベースで統計を取り始めた1954年以降で最大となった。新型コロナウイルス対策の行動制限が緩和され、飲食などの非製造業が全体を押し上げた。製造業では自動車の生産回復が寄与した。

 非製造業、製造業の経常利益はいずれも過去最大だった。財務省の担当者は「景気が緩やかな持ち直しから回復へと進んでいる」と分析。先行きは、海外経済の減速や物価高の影響を注視するとした。

 非製造業の経常利益は19.0%増の20兆3405億円だった。飲食などの「サービス業」が20.2%増と好調だった。インバウンド増加などで人出が増えたことが追い風となった。電気料金の値上げや原油高の一服で「電気業」が黒字転換したことも増益につながった。

 製造業は0.4%増の11兆2656億円だった。半導体不足が和らいで自動車生産が増え、「輸送用機械」が56.5%増と大幅に伸びた。

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