【きらら浜 野鳥手帖】 No.54「ハチクマ」

タカ目 タカ科 [全長] オス57cm、メス61cm [時期] 春から秋に見られる夏鳥

 タカの仲間は渡りの際、上昇気流に乗って羽ばたかずに高空まで上がった後、滑空して前進を繰り返す省エネな方法を使います。上昇気流が発生する場所に集まるため、蚊柱ならぬタカ柱ができますが、今時期このタカ柱をよく観察できるのが蜂の子が主食の変わりもの、ハチクマです。

 陸の鳥にとって海の上を飛び続けるのはとても危険です。しかし、ハチクマは五島列島から大陸まで一気に海を越えます。他の鳥に比べて子育てを始める時期が遅いにもかかわらず、栄養豊富な蜂の子パワーのおかげか、その年生まれの幼鳥たちは短い期間でこの危険な渡りに挑めるまでに成長するのです。

新光産業きらら浜自然観察公園 高尾 はるか

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