馬毛島に戦闘機F35Bの訓練施設整備へ 防衛省、来年度予算概算要求に64億円 空自先遣隊90人も配置へ

(資料写真)強襲揚陸艦アメリカ内に格納される最新鋭ステルス戦闘機F35B

 鹿児島県西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転と自衛隊基地整備で、防衛省は2024年度から島内で最新鋭ステルス戦闘機F35Bの訓練施設整備を進める。31日発表の24年度予算概算要求に約64億円を計上し、25年度中の完成を目指す。FCLPに使う滑走路の点検などに当たる約90人規模の航空自衛隊馬毛島先遣隊(仮称)も24年度に配置予定で、日米の訓練実施に向けた準備が本格化する。

 短距離での離陸や垂直着陸ができるF35Bは24年度、空自新田原基地(宮崎県)に6機配備され、試験運用する臨時の飛行隊も発足する。馬毛島に整備するのは海上自衛隊が事実上の空母化を目指す「いずも」型護衛艦の甲板を模した施設。これを使いF35Bは模擬艦艇発着艦訓練を年間約100日実施する見込み。

 先遣隊約90人は中種子町に整備される宿舎から馬毛島に通勤する。基地施設の確認や規則の作成も担う。

 馬毛島の基地整備の関連費用は金額を示さない「事項要求」とし、米軍再編関連経費に盛り込む。23年度当初予算では3030億円(契約ベース)を計上した。

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