コロナ禍を経て繁華街でネズミ増加か 千代田区長が実態調査

千代田区では、住民からネズミの被害の相談が増えていることを受け、実態を把握するため樋口区長自ら、ネズミのえさになりやすいゴミ集積場を回りました。

千代田区では、新型コロナウイルス5類以降に伴い、今年上半期でのネズミ被害の相談が去年に比べ約1.5倍に増えているということです。区によりますと、特に増えているのが神田駅周辺や秋葉原駅の東口などの繁華街です。こうした状況を受け、千代田区の樋口区長は8月31日朝、神田駅周辺の鍛冶町を中心におよそ40カ所のごみ集積所を回りました。

樋口区長:「人が戻ると同時にネズミも増えてきたという課題があります。千代田の清掃事務所と千代田の保健所と地域が一体となって、ネズミの駆除を行っていこうという取り組みをしています」

相談や苦情の増加を受け、千代田区では6月から本格的にネズミの出やすい場所などを実態調査を行っていて、調査結果を元に今後の対策を考えていくとしています。

千代田区で進められているネズミの駆除に向けた取り組みですが、このネズミの問題、東京ではかなり深刻となりそうです。

ネズミなど有害生物について相談を受けている東京都ペストコントロール協会によりますと、ネズミはエサとなる食べ物が豊富にある場所、例えば飲食店などが集まっている繁華街を好むということです。繁華街では夜間にエサとなるゴミ類を路上に出しているケースが多くみられるため、翌朝の回収時までにネズミのエサとなっている可能性が高いということです。

ネズミの大量発生は衛生上問題があり、発熱や腹痛などを起こす「レプトスピラ症」や「サルモネラ症」の原因となる細菌を媒介する恐れがあります。そして、食べ物以外に建物内の配線やパイプもかじるということで、火災の原因や経済的な損失にも繋がってしまいます。こうした状況とならないよう、千代田区では生ゴミを多く出す可能性のある事業者や家庭に、ネズミに荒らされないよう蓋つきのゴミ箱を使用するよう呼び掛けています。

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