小さな赤ちゃんの成長記す 神奈川県、低出生体重児向けハンドブック作成 親の思い受け

県が当事者の思いを受けて作成した「かながわリトルベビーハンドブック」

 県は早産などで小さく生まれた低出生体重児の成長を記録できる「かながわリトルベビーハンドブック」を作成した。9月から市町村や新生児集中治療室のある医療機関などで配布する。満期出産が前提の母子健康手帳では、わが子の成長を記録できないと訴えた母親の思いを受けて、県が当事者や有識者らでつくる検討会を設け、約2年かけて仕上げた。

 ハンドブックは低出生体重児(出生時2500グラム未満)の保護者に活用してもらう想定で6千部を作成。母子手帳では成長曲線のグラフは体重1キロ、身長40センチからの記入が一般的で、早産などでそれより小さく生まれた赤ちゃんの親は記録を付けられず、孤独や負い目を感じる現実がある。

 ハンドブックでは体重0キロ、身長10センチから目盛りを設け、成長を記録できる。「ほほ笑んだ」「つかまり立ちできた」など、成長の節目を日付や月齢で記せるようにもなっている。

 作成に当たり、検討会では低出生体重児を育てる約3千人のアンケートを分析。リトルベビーを育てる父母のメッセージや育児情報を掲載するなど「当事者目線」で工夫を凝らした。

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