13年ぶり「特別な月」 「スーパーブルームーン」和歌山・串本町の橋杭岩と共演

橋杭岩の上空で輝いた「スーパーブルームーン」とも呼ばれる、いつもより大きな月(8月31日午後7時29分、和歌山県串本町くじの川で)

 満月を迎えた8月31日夜、地球との距離が縮まり、ひときわ大きく見える月が和歌山県紀南地方を照らした。この日の満月は、今年最も地球に近い「スーパームーン」と、1カ月に2度目の満月を指す「ブルームーン」が重なった「スーパーブルームーン」とも呼ばれ、この条件になるのは13年ぶり。串本町では、町のシンボルとして親しまれている国の名勝・天然記念物「橋杭岩」の上で輝いた。

 国立天文台によると、月と地球との距離は、公転している月の軌道が楕円(だえん)形であり、太陽や地球などの重力の影響も受けることから変化する。

 31日の満月(午前10時36分)は今年1年で地球と最も近い満月で、地球の中心から月の中心までの距離(地心距離)は約35万7300キロ。最も遠かった2月6日の満月(午前3時29分)より4万8500キロほど地球に近く、比較すると、見かけの直径で約14%大きく、光っている面積も29%ほど広かった。

 天文学の用語ではないが、一般的にその年で最も地球に近い満月をスーパームーン、月に2度目の満月を、めったに起こらないことの例えでブルームーンと呼ぶことがあり、この二つが重なるのは2010年1月30日以来。次回は29年3月30日という。

 串本町くじの川にある橋杭岩は、陸地から沖へ約850メートルにわたって大小40余りの岩柱が直線状に並んだ景勝地。この日は雲が多かったが、午後7時半ごろになると雲の間から丸い月が出現。徳島県から観光で訪れていた女性(50)は「月がきれいで、スマホで写真を撮って友人に送ったら喜んでいた。見ることができて良かった」と笑顔を見せた。

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