将棋の藤井聡太七冠 王座戦は黒星発進 対する永瀬拓矢王座は昼も夜も多くの棋士に愛された「名物カレー」を食べて勝利

将棋の藤井聡太七冠が史上初の八冠独占を目指し、永瀬拓矢王座に挑戦する王座戦五番勝負。31日の開幕戦では藤井七冠が敗れ、黒星スタートとなりました。

先手番では負けなしだったが…

藤井七冠(21)が、前人未到の8大タイトル全制覇をかけて永瀬拓矢王座(30)に挑む王座戦五番勝負。第1局は31日に神奈川県秦野市の老舗旅館、元湯陣屋で藤井七冠の先手で始まりました。

今年度、先手番では12勝敗けなしの藤井七冠に立ちはだかった永瀬拓矢王座。今回防衛すればタイトル5連覇となり、史上3人目の「名誉王座」を獲得します。

両者互いに偉業達成をかけた戦い。その勝負めしは共に「陣屋カレー」でした。

昭和初期から300局以上のタイトル戦が行われてきたこの名旅館で、多くの棋士達にこよなく愛されてきた名物カレーです。大きな伊勢エビまるごとにビーフと、ボリューム満点ですが、永瀬王座はこれに追加して「ショートケーキ」と「シャインマスカット大福」もリクエスト。なかなかの食欲です。

3時のおやつは藤井七冠はサトイモをイメージした「練り切り」。一方、永瀬王座は飲み物だけでした。対局はこの段階で藤井七冠がわずかに優勢。

午後5時になると夕食の時間に。藤井七冠は軽くおにぎりとパパイヤ。一方、永瀬王座はなんと昼と同じ、「陣屋カレー」をまたリクエスト!徹底的に伊勢えびまるごとのカレーを堪能しました。

「早くも厳しい状況になってしまった」

その後対局はもつれ、持ち時間を使い切り、1分以内に指す早指しが約1時間続く激戦に。結局、午後9時すぎに150手で永瀬王座が制しました。

(永瀬王座)
「本局は後手番だったので、どうついていくかという将棋になったかと思うが、まずは先勝することができて良かった」

藤井七冠は今年度、13回目の先手番で初めて黒星を喫しました。

(藤井七冠)
「早くも厳しい状況になってしまったと思う。できる限り良い状態で(次の)対局に臨んで熱戦にできるよう頑張りたい」

藤井七冠は去年、永瀬王座との初めてのタイトル戦となった棋聖戦五番勝負でも、開幕戦を落としましたが、その後3連勝でタイトルを防衛しています。王座戦は先に3勝でタイトル獲得となる五番勝負です。

第2局は9月12日に神戸市で行われます。藤井七冠の反撃に注目です。

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