概算医療費46兆円、過去最大 22年度、1兆8千億円増

厚生労働省

 厚生労働省は1日、22年度に病気やけがの治療で全国の医療機関に支払われた概算の医療費が過去最大を更新し、46兆円だったと発表した。新型コロナ感染拡大などで、前年度から1兆8千億円増えた。増加幅は4%だった。

 厚労省は、コロナ患者の医療費は参考値で前年度の倍近い8600億円としている。担当者は「オミクロン株の流行により、発熱外来などの患者数が大幅に増えた影響が大きい」と説明した。

 年齢別で見ると、75歳以上の人が18兆円で全体の39.1%を占めた。1人当たりの医療費は、75歳未満が24万5千円だったのに対し、75歳以上は95万6千円で3.9倍となる。

 入院は18兆1千億円。外来は16兆2千億円だった。

 診療所の外来医療費では、子どものコロナ患者増などにより小児科が30.8%増。22年度より不妊治療の保険適用が拡充されたことを受け、産婦人科は53.9%増えた。

 概算医療費は、患者の窓口負担や公的医療保険で賄う費用を合計。労災保険や全額自己負担の場合は含まれず、医療費全体の約98%に当たる。

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