天皇陛下 ご静養中にも宮中祭祀のために帰京…「原則すべて出席」の本気度

那須御用邸でご静養中の天皇ご一家 /(C)JMPA

天皇陛下と雅子さま、愛子さまは8月21日から那須御用邸で静養されている。御用邸で静養されるのは4年ぶり、久しぶりの“夏休み”の時間をゆっくりと過ごされているようだ。

「那須御用邸の近くにあるステンドグラス博物館などを訪れていたそうです。大学4年生となった愛子さまも、学生時代最後の夏休みを那須の地で過ごされることができて、本当によかったと思います」(地元住民)

那須御用邸への滞在中、天皇陛下は8月31日にいったん帰京され、9月1日に御用邸に戻られた。

「天皇陛下が皇居に戻られるのは、宮中祭祀の1つである“旬祭”で拝礼されるためと聞いております。旬祭は、毎月1日・11日・21日に皇室の祖先などを祭る宮中三殿で国民の安寧を祈るために行われるもので、1日の旬祭は原則として陛下が拝礼されています。

陛下は祭祀を非常に重要視されており、出るべき祭祀に欠席したことは原則的にないと聞いております。2022年11月に、祭祀を担当する掌典職の職員十数人が新型コロナウイルスに感染したことが判明し、同年12月1日の陛下が出席を取りやめられたことがありましたが、こうした例外を除いて、陛下はこれまですべての祭祀に臨まれています。

掌典職の職員たちは一様に、陛下の祭祀への真摯な向き合われ方に敬服しています。“歴代天皇のなかでも、陛下は神事に熱心に取り組まれている”という評価が定着しています」(宮内庁関係者)

1年間のうち少なくとも約20件の祭儀が執り行われている宮中祭祀だが、お体への負担は少なくない。

「事前の潔斎もあり、重量のある装束をお召しになるほか、長時間正座される祭儀があったりと、昭和天皇や上皇さまもお歳を召されたころからは、お体へかかる大きな負担を耐えながら臨まれていたのです。早朝や深夜に執り行われる祭儀もあり、ご身体に相当な負荷がかかる一面があるのです。

しかしそうした一面があったとしても、陛下は国民の幸せを祈るため、歴代天皇が連綿と受け継がれてきた宮中祭祀を大切にされているのだと思います」(皇室ジャーナリスト)

ご静養の最中であっても、陛下は国民に寄り添うお心を常にお持ちになっているのだ――。

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