虚空を指さすキャディ 今平周吾が富士桜で加える“ひと手間”

2年ぶり大会制覇の目安は「10アンダー」だとか(撮影/村上航)

◇国内男子◇フジサンケイクラシック 2日目(1日)◇富士桜CC(山梨)◇7424yd(パー70)

2021年大会の覇者・今平周吾は、富士桜CCのグリーンでパットを打つ前に必ず柏木一了キャディが指さす方向を確認する。その先にあるのは富士山。林に視界が遮られていても、雲がかかっていても、そのチェックを怠らない。

「どこにあるか、見えないときもあるじゃないですか。だから、毎回聞いてますね」。2年前に優勝した時も“何もない空間”虚空(こくう)を指さしていたが、気にしているのは芝目ではないという。「そこ(富士山)から(全体傾斜が)ある感じなんで」。日本一大きな山の中腹にコースが位置するイメージでグリーンの読みに生かしているそうだ。

過去8度の出場で6度のトップ10(撮影/村上航)

この日は後半11番(パー3)のバーディで一時5アンダーまで伸ばしてから3ボギーを喫した。昨年からインとアウトを入れ替えたコース。「(インコースを)バックナインとして初めて回ったんですけど、決勝になるとちょっと難しいのかな」。プレーする時間帯が遅くなれば風の強さも変わり、池が絡むホールが増えた“真価”を発揮する。

17番で3パットもあったが、18ホール合計は25パット(撮影/村上航)

ティショットを大きく左に曲げた最終18番。グリーン右手前のラフに外しても、ピンは左サイドで、手前のグリーンエッジからの距離を使えば寄せられるチャンスはあると判断。3打目は狙い通りに下り傾斜を利用し、2mのパーパットをねじ込んだ。首位と2打差の通算2アンダー6位に踏みとどまった。

ショットの状態は優勝した時と遜色ない(撮影/村上航)

「17番でボギー打っていたので、最後のパーであしたにつながるかな。ショットとかは(勝ったときと)同じくらいの調子には持ってこれている。あとはパッティング次第」。大会2勝目のポイントに挙げたパター。週末も打つ前のひと手間は欠かさない。(山梨県河口湖町/亀山泰宏)

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