郵便貯金消滅の運用を柔軟化 満期後20年でも払い戻し

総務省

 総務省は1日、2007年10月の郵政民営化前に預け入れた定期性の郵便貯金が満期から20年2カ月たつと消滅し、払い戻せなくなる制度の運用を柔軟にすると発表した。現在は、けがや病気など「真にやむを得ない事情」があり、期限までに払い戻せなかった人に限って、払い戻しに応じているが、今後はより貯金者の事情に配慮する。

 郵政民営化前に預け入れられた貯金を管理する独立行政法人、郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構に対し、運用の見直しを検討するよう指示した。機構は7日までに検討結果を総務省に報告する。松本剛明総務相は1日の記者会見で「払い戻し請求への対応は貯金した人の財産に関わる。丁寧な対応を要請した」と述べた。

 機構によると、21年度に払い戻しの権利が消滅した貯金の総額は過去最高の457億円。22年度は197億円だった。消滅した貯金は国の財産に算入される。

 郵政民営化前に預け入れた通常の貯金は、ゆうちょ銀行に引き継がれていて、払い戻しの権利は消えない。

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