1時間で水産物のトリチウム測定 茨城大、電子レンジで大幅短縮

福島県南相馬市で水揚げされた水産物に含まれるトリチウム濃度を測定する茨城大大学院の鳥養祐二教授=1日、水戸市

 茨城大大学院の鳥養祐二教授(量子線科学)の研究室が、水産物に含まれるトリチウム濃度を約1時間で測定する技術を開発した。従来の1カ月から大幅に短縮した。福島第1原発の処理水放出後の1日、福島県相馬市で水揚げされた魚介類から抽出した水分中のトリチウム量を調べた結果、国が安全と定める基準を下回った。

 測定方法は、切り身をのせた容器をポリ袋に入れて密封し、電子レンジで約15分温めて袋にたまった水分を採取。検査用の機械を動かすと、約30分でトリチウムが検出される。

 研究室は、8月30日に取れたホッキ貝、ヒラメなど3種類からトリチウム量を測定。「放出の影響は見られない」と結論付けた。

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