コロナ感染全国2番目 青森県「過去最大規模」直近1週間 感染者数(1定点当たり)31.30人

 厚生労働省が1日に公表した全国の新型コロナウイルス感染状況(8月21~27日)によると、青森県の1定点医療機関当たり感染者数は31.30人で、47都道府県のうち2番目に多かった。岩手県が全国最多となるなど、国内の流行の中心は東北地方に移っている。県感染症対策コーディネーターの大西基喜医師は、夏祭りや帰省シーズンで人の移動が活発だったことなどを背景に、青森県の感染拡大の規模は「定点医療機関で把握していない分も含めると、過去最大とみられる」との見解をあらためて示した。

 都道府県別の直近1週間の感染者数(1定点当たり)は、最多の岩手県が31.71人で、続く青森県が31.30人。このほかの東北他県も、宮城県(29.54人、全国3位)、秋田県(26.73人、同5位)、福島県(25.87人、同6位)など高い水準にある。全国平均は19.07人だった。

 県の千田昭裕新型コロナウイルス感染症対策監は「沖縄から始まった流行が九州、西日本と移り、今は北日本にピークが来ている状況」と説明。前週から今週にかけ、10歳未満の感染者の割合が高まっており、夏休み明けの学校での感染拡大も影響しているとみられる。

 県の推計によると、2022年夏の第7波では、青森県のピーク時の感染者数は55.71人、22年冬の第8波ピーク時は42.48人。直近の集計値は、それぞれのピークを下回っているものの、大西医師は「集計方法が変わり、定点以外の医療機関を受診する人、発症しても受診しない人もいる。医療機関からの話を総合すると、今が一番多い時ではないか」と解説した。

 現状の感染の広がり具合については「周囲に当たり前のように感染者がいる。誰もが感染者と接触しているのではと想定し、発熱などの症状が出たら真っ先にコロナを疑う状況」との見方を示した。

 重症化リスクが高い人、息苦しさを覚えるなど症状が重い人は医療機関の受診が必要としつつ、「発熱した人が全員医療機関へ押し寄せると、負担が大きく増える。軽症の人は自己検査や自分で薬を用意するなどの対応が大事になる」と話した。

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