北が弾道ミサイル発射、朝鮮半島東岸付近に落下

 防衛省は31日、北朝鮮が30日午後11時38分と46分に北朝鮮西岸付近から弾道ミサイルを発射、最高高度約50キロ、38分発射のミサイルは約350キロ飛翔、46分発射は約400キロ飛翔し、いずれも朝鮮半島東岸付近(日本の排他的経済水域外)に落下とみられると発表した。30日には米韓合同軍事演習で米軍戦略爆撃機B1Bが朝鮮半島で訓練を展開していた。演習への反発ともみられる。

 政府は「これまでの弾道ミサイル等の度重なる発射も含め、一連の北朝鮮の行動は我が国、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすもの。このような弾道ミサイル発射は関連する安保理決議に違反し、国民の安全に関わる重大な問題」とし「我が国としては北朝鮮に対して厳重に抗議し、強く非難した」としている。

 浜田靖一防衛大臣は29日の記者会見の際に「万が一我が国の領域に落下する場合に備え、自衛隊のイージス艦、PAC-3部隊等に対し、所要の態勢を取らせている。北朝鮮は今後も各種ミサイル発射や衛星打ち上げ、核実験などの挑発行為に出る可能性があると考えており、防衛省としては引き続き情報の収集・分析及び警戒監視に全力を挙げる。弾道ミサイルの破壊措置命令についても各種情報の分析・評価を続ける中で適切に判断していく」と記者団の問いに答えていた。

 聯合ニュースは韓国軍合同参謀本部の発表として「北朝鮮が30日午後11時40分から50分にかけて平壌の順安付近から朝鮮半島東の東海(日本海)に向け短距離弾道ミサイル2発を発射したと発表した」と報じた。飛翔距離は約360キロ。

 聯合ニュースは「ミサイルの飛翔距離などを考慮すると韓国の陸・海・空軍の本部がある中部の忠清南道・鶏竜台を狙ったものと見られる」と発射された方向が東方向でない場合には、忠清南道・鶏竜台にあたる飛距離との見方を示した。(編集担当:森高龍二)

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