ALPS処理水を「汚染水」発言で農水大臣謝罪

 東京電力福島第一原発事故で増え続ける放射性物質に汚染された水のALPS処理水について野村哲郎農林水産大臣は8月31日、「汚染水のその後の評価等について情報交換した」とALPS処理水を汚染水と表現したことについて、岸田文雄総理から謝罪と発言の撤回を指示され、同日夜「処理水を汚染水と言い間違えた。全面的に謝罪し撤回したい」と発言を撤回して、謝罪した。

 岸田総理は同日の記者会見で「発言については遺憾なことであり、野村農水大臣に対して、全面的に謝罪するとともに、撤回するよう、指示を出した」と語っていた。

 また我が国最大の輸出国である中国が日本産水産物の全面輸入禁止や日本産水産物の加工や食品販売の禁止措置をとっていることに関して(1)輸入停止の撤廃に向け中国政府にどのように働き掛けるのか(2)中国以外の国に対し理解獲得や販路拡大のためどのような外交を行っていくのか、を記者団に問われて答えた。

 岸田総理は(1)について「中国等に対しては科学的根拠に基づく対応を粘り強く求めていく。以前から科学的・専門的見地から意思疎通を行うこと、累次の機会を捉えて提案してきた。専門部局を具体的に明示して中国側カウンターパートに当たる関係当局との間で科学的な意思疎通の実施について具体的な日程も示しながら提案してきた。一刻も早く、こうした提案に応じていただきたいと思っている」と述べた。

 (2)については「米国や東南アジアなどに向けて輸出先を転換するためのビジネスマッチングとか、海外市場の開拓、あるいはブランディング、こうした支援を行っていきたいと考えている」と語った。(編集担当:森高龍二)

「処理水を汚染水と言い間違えた。全面的に謝罪し撤回したい」と発言を撤回して、謝罪した

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