
栃木県は1日、県内の農場でニラの葉に寄生する新種のダニが発見されたと発表した。寄生したダニによって葉が湾曲する被害が現在、県内で3件確認されている。収量低下につながる恐れがあり、県は被害状況を把握するため、今月中に県内全農家を調査する方針。
県農政部によると、ダニが寄生したニラは、食べても人体への害はないが、商品価値が失われるため出荷されることはない。
昨年7月、県南の生産農家で葉の一部が湾曲しているニラが発見され、県農業環境指導センターに持ち込まれた。同センターが確認したところ、フシダニ科のダニとみられる生物が寄生していた。県が法政大の研究機関に調査を依頼し、既存のダニとは形態が異なる新種だと分かった。その後、同農家の近隣と、別の県央の農家でも確認された。
同センターによると、ダニは体長約0.2ミリで白色半透明。葉の根元などに寄生し、水疱(すいほう)状の隆起が発生。そこからねじれるように葉が曲がる。根に寄生するダニはいるが、葉に寄生するダニは珍しいという。
現状、生態は不明で適用する農薬もないため、県はダニが移動分散しないよう、発見したらニラを株ごと除去し処分するとともに、刈り取りに使った鎌などの洗浄を呼びかけている。
本県はニラの生産量が全国2位。被害の拡大防止に向け、同部は「現状把握と早期発見に努める」としている。
