慶應義塾大学、オンライン教育プラットフォーム「FutureLearn」配信コースが登録者10万人突破

慶應義塾大学がオープンオンライン教育プラットフォーム(MOOC)FutureLearnで配信するコースの登録者が累計10万人を突破した。FutureLearnは2012年に設立された英国発のオープンオンライン教育プラットフォームで、全世界から1800万人以上(2023年現在)の学習者が登録し、受講している。慶應義塾大学は、2015年から日本で唯一FutureLearnに参加し、2023年8月現在11コースを英語・日本語の2か国語(一部除く)で公開している。

グローバルなオープンオンライン教育プラットフォームであるFutureLearnは、コース登録・受講はすべて無料であり、有料で修了証の取得、期間終了後の受講継続ができる。

慶應義塾大学FutureLearnプロジェクトは、「大学の知の発信と社会貢献」「大学の先進的な教育手法の開発、教育力の向上」「大学のグローバル化の推進」をミッションに、コース開発、運用を行ってきた。2023年現在、11コースを英語・日本語の2か国語(一部除く)で公開している。慶應義塾の各学部・研究所が所有する貴重書や芸術作品等のアーカイヴ、研究を通じた日本文化を世界に発信するコースを公開し、主にヨーロッパ、アジア、北米圏を中心に多様な地域から受講者を獲得。日本文化の中でも慶應義塾ならではの専門的、かつ特色ある分野を扱っている中で、10万人という多くの支持を得ることができたことは大きな成果だと言える。

2022年に開講した「TravellingBooks: History in Europe and Japan(旅する書物:日本とヨーロッパの歴史のなかで)」は、貴重資料を豊富に有する大英図書館との共同制作により実現した。アジアで唯一グーテンベルク42行聖書を所蔵し、インキュナブラ(初期活字本)、和漢書の研究や保管などにおいて高い評価を受ける慶應義塾にとって、非常に意義のある研究成果発信となった。

また、コース開発の実践から得た知見は、よりよいLearning Designのための研究や授業への利活用に積極的に取り入れられている。例えば、2020年開講の「Methodologies for Service Design(サービスデザインことはじめ)」は、大学院メディアデザイン研究科にて、授業の履修学生がFutureLearnのコースに登録して各自でオンライン学習を行いながら並行して授業に参加する「Blended Learning(ブレンド型学習)」の実践として設計された。2023年からは「Understanding Quantum Computers(量子コンピュータ入門)」が、南洋理工大学(Nanyang Technological University シンガポール国立、QS世界大学ランキング26位 2024年版)の単位互換認定科目の一つに選定されるなど、大学を越えた活用も進んでいる。「Understanding the Internet」はアジア各国の大学生対象インターネット技術者育成プログラム(APIE Program)の必修科目としても利用されている。

慶応義塾大学では、2023年度以降も新コースの開発・公開を予定している。

参考:【慶應義塾大学】無料オンライン講座FutureLearn-慶應義塾大学公開のコースの登録者10万人を達成-

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