不登校児×保護猫が一緒に過ごせる居場所をつくりたい! 不登校を経験した親子の挑戦

小・中学校における不登校児童は、令和3年の文化省の調査によると24万人を超えている。

フリースクールゆきレオと、保護猫施設ゆきレオ保育園(大阪府河内長野市)代表の福本亜弥さんと福本さんの娘であり理事長も務める凛さんは、そんな不登校の子どもや心のケアを必要とする子どもたちが保護猫と過ごせるフリースクールで居場所を見つけてほしいと、2023年7月からクラウドファンディングを始めた。

凛さんと保護猫(NPO法人フリースクールゆきレオ&保護猫施設 ゆきレオ保育園より提供)

集まった資金を使い、現在保護施設として使用している福本さんの自宅をより広くするための改装工事を実施する予定だという。
今回代表の福本さんに話を聞いた。

なぜ、保護猫とフリースクール?

代表の福本さんと、理事長の凛さん(NPO法人フリースクールゆきレオ&保護猫施設 ゆきレオ保育園より提供)

ゆきレオ保育園では、福本さんの娘である凛さんが立ち上げた施設。凛さんはゆきレオ保育園の理事長を務めている。

保護猫活動とフリースクールを一緒にしようと思った背景には凛さんの不登校にある。小学4年生の時だった。
当時の彼女の様子を振り返ると、家に引きこもり気味で笑顔もあまり見せなくなっていたという。

そんなとき、やりたいことはないかと聞くと「保護猫活動をしたい」と言ったのがきっかけだった。元々猫が好きで4匹の猫を飼っていた凛さんは、テレビで流れる猫の虐待ニュースを見て保護猫活動に興味を持ったという。

凛さんと保護猫(NPO法人フリースクールゆきレオ&保護猫施設 ゆきレオ保育園より提供)

そこで福本さん一家で保護猫活動を始めることに。
当初対人恐怖症だったという凛さんは、保護猫活動を通して譲渡会やチラシ配り、保護猫に関係するボランティア団体のイベントといった場面でたくさんの人と話す機会が増えた。
猫に関しての知識や接し方に詳しくなったことで自分への自信にも繋がったという。また、同じように保護猫活動をしている同年代の友達と仲良くなり遊ぶようにもなった。

そんな凛さんの姿を見て、猫のアニマルセラピーを保護猫活動を通して広げ、不登校児や心のケアを必要とする子どもたちの居場所をつくれればとこの活動を始めた。

福本さんは「学校へ行くことがすべてではない。不登校の子どもたちの居場所は必要」と話してくれた。

フリースクールは少人数で実施予定

保護猫活動をしている様子(NPO法人フリースクールゆきレオ&保護猫施設 ゆきレオ保育園より提供)

フリースクールは自宅を改装して施設として使用する。そのため親子なら1日2組、子どもだけなら1日3~4人ほどの少人数制で実施予定。

フリースクールゆきレオ&保護猫施設ゆきレオ保育園は、保護された猫たちと自分のペースで自由に過ごしたり、子どもたちが中心となって保護猫活動に取り組める居場所。実際に保護猫活動を体験してもらうことで、命の大切さを学び、自己肯定感を高めることも期待できるとか。

取材の最後に、福本さん、凛さんからフリースクール・ゆきレオ保育園をどのような場所にしていきたいかを聞いた。

凛さん「人間だけでなく猫ちゃんも楽しく過ごせるフリースクールにしたい」

福本さん「大人数がいるフリースクールの練習のような形でも利用してもらえたら嬉しい。
実際に不登校の子どもを育てているため、親の話も聞ける場としても利用できると思う。本当に自分がしたいことをして過ごしてほしい」

フリースクールゆきレオ&保護猫施設ゆきレオ保育園のクラウドファンディングは2023年9月25日まで募集している。

ほ・とせなNEWS編集部

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