北部九州大学野球 9月2日開幕 長崎国際大 悲願のVと全国へ 春季は2位、好発進誓う

投手陣を引っ張る小宮(左)と母校に戻ってきた西島コーチ=佐世保市、長崎国際大ボールパーク

 第110回九州地区大学野球選手権北部九州ブロック大会1部リーグ(秋季)は2日、大分県別府市民球場で開幕する。春季2位の長崎国際大は久留米工大との2連戦でスタート。悲願の優勝と明治神宮大会(11月)出場に向けて好発進を誓う。
 6チームによる2回戦総当たりのリーグ戦。上位3チームが全九州大学選手権に進み、福岡六大学や九州六大学など他連盟の代表と1枠の神宮切符を懸けて争う。

長崎国際大の試合日程

 長崎国際大は2015年創部。今春は通算6勝4敗の2位と過去最高成績を残したが、日本文理大に全勝Vを許した。就任4年目の的野幸一郎監督は「取りこぼした試合が多く、攻撃は得点圏でのつながり、守備は継投のタイミングなどで課題が残った」と振り返る。
 投手陣は4年生右腕の小宮大明(大分・藤蔭)をはじめ、3年生以下も先発を任される左の大橋琉星(福岡・真颯館)、右の谷本宗弥(宮崎日大)を軸に充実。救援陣は牧原寛汰(島根・矢上)、猿渡歩真(福岡・大牟田)、髙野進太郎(宮崎・鵬翔)、黒木優(九州文化学園)らタイプの異なる有望株が力をつけており、赤木輪生(波佐見)ら1年生が頭角を現してきたのも好材料だ。
 5月には九州文化学園高出身で長崎国際大野球部1期生の西島篤が独立リーグでのプレーを経て投手コーチに就任。兄貴分として選手を支える27歳は「素材がいい投手が多い。継投は打たれて代えるんじゃなくて早めに手を打ちたい。自分を育ててくれたチームに少しずつ恩返しをしたい」と頼もしい。
 勝負のポイントは攻撃面。春はスクイズなどの小技で1点をもぎ取る形が少なくなかったが、優勝のためには打って複数得点を挙げる力強さも求められる。社会人野球の強豪JR九州への就職が内定している3番の是枝丈一郎(鹿児島・尚志館)を大黒柱に、オープン戦で打順を組み替えながらより効果的な攻め方を探ってきた。

野手の大黒柱となる是枝=長崎国際大ボールパーク

 是枝と同じ4年生の中野元喜(九州文化学園)と平安常人(沖縄水産)、3年生の麻生大雅(鹿児島・樟南)らとともに得点源として期待がかかるのが、1年生で4番に定着しつつある水安勇(山口・下関国際)。昨夏の甲子園では準々決勝の大阪桐蔭戦で3安打を放つなど準Vに貢献した。的野監督は「是枝の後の打者がどれだけつながるかが重要」と奮起を促す。
 久留米工大戦の次の第2週は長崎市の県営ビッグNスタジアムで近大産業理工学部を迎え撃つ。序盤で勢いをつけ、全勝のまま最終週で日本文理大とぶつかりたい。
 集大成のマウンドとなる小宮は「春はしょせん2位。今回も3位以上で次には進めるけど、1カ月しっかりと優勝を目指して戦う」と気合十分。遊撃手で守備でも要となる是枝も「まずは初戦が肝心。死に物狂いで取りにいく。チャンスをつくってくれれば絶対にかえす。最後は笑って終わりたい」と燃えている。

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