遊佐沖の風力発電、「促進区域」指定へ 国が案を公告

 洋上風力発電の事業化に向けた動きが進む遊佐沖について、経済産業省と国土交通省は1日、事業者公募など具体的な手続きに移る「促進区域」とする案を公告した。15日まで縦覧を行い意見提出を受け付ける。本県初となる促進区域に指定される見通しで、指定後に国が発電事業者の公募を始める。

 遊佐沖は2021年9月に、促進区域の前段階に当たる「有望な区域」に指定された。地元や漁業の関係者らを交えた法定協議会は今年3月、「着床式洋上風力発電の促進区域として指定に異存はない」との意見に同意した。その後、有識者による第三者委員会の意見を踏まえ、風況や港湾との一体的利用が可能など、促進区域の要件を全て満たすことが確認された。

 公告・縦覧は再エネ海域利用法に基づく手続き。指定案に関する資料は両省のホームページのほか県庁、県庄内総合支庁、遊佐町役場でも閲覧できる。意見提出ができるのは利害関係者で、今月15日まで経産省宛てに郵送かメールで送る。

 促進区域に昨年指定された新潟県村上市・胎内市沖など3海域は、公告・縦覧開始から約1カ月後に指定が公表された。本県のエネルギー政策推進課は「着実に事業化へ前進している。引き続き地元と共に丁寧に取り組んでいきたい」としている。

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