【MLB】 9月からロスター拡大“セプテンバーコールアップ” 有望株たちが続々とメジャー初昇格

写真:マルチヒットで鮮烈デビューのメッツ・マウリシオ

現地9月1日、この日からアクティブロスターが26人から28人に拡大となり、いわゆる“セプテンバーコールアップ”という有望株のメジャー昇格が各チームで見られた。

この中でも目玉と言っていい有望株が、『MLB パイプライン』の有望株ランキングで77位に位置するヤンキースのジャッソン・ドミンゲスだろう。

2019年にわずか16歳ながらも鳴り物入りでヤンキースと契約したドミンゲスの愛称は、規格外の存在という意味から“火星人”。そこから着実にマイナーでのキャリアを積み上げ、AAとAAAでプレーした今シーズンは118試合で打率.265、出塁率.377、15 本塁打、wRC+(100を基準とする総合打撃指標)は121と、20歳としては非凡な成績を残していた。

さらにヤンキースは2020年ドラフト1巡目の強打の捕手/一塁手のオースティン・ウェルズもコールアップ。この2人は同日のアストロズ戦で早速メジャーデビューを飾り、ジャスティン・バーランダーと対戦。

5番中堅でスタメン出場したドミンゲスは第一打席にいきなりレフトへの本塁打を放った。『ESPN Stats & Info』によれば、20歳206日での初試合初本塁打はヤンキースの選手としては史上最年少の快挙となった。さらに7番捕手でスタメン出場したウェルズも第一打席でライト前ヒットを記録している。

ニューヨークに現れた期待の新星はこの2人にとどまらない。メッツも内野手の有望株ロニー・マウリシオをメジャー初昇格させた。マウリシオは『MLB パイプライン』の同ランキングで90位にランクインしている。

190センチと大柄なマウリシオは、大型遊撃手としての期待を受けながらもそのポテンシャルが磨かれるには時間がかかっていた。しかし、今年は22歳の若さでAAAでシーズン開幕し、自身2年連続となる20本塁打20盗塁を達成。また、今年は二塁・三塁・左翼と守れるポジションを増やし、メジャーデビューに繋げた。

マウリシオも今日9番二塁でキャリア初先発を果たすと、打球初速約189キロの二塁打を含むマルチヒットの活躍を見せている。

また、2020年ドラフト1巡目のロイヤルズのニック・ロフティン(球団5位)、2021年にクリス・ブライアントの対価として加入したカブスのアレクサンダー・カナリオ(球団16位)がメジャー初昇格。そしてエンゼルスもカイエン・パリス(球団6位)を昇格させ、早速スタメン起用している。

パリスはAAまでの経験しかない21歳だが、オフにルール5ドラフトの被指名資格を得るため、40人枠入りすることが濃厚視されていた。今昇格させて1ヶ月プレーさせたとしても新人資格を失うことはないため、経験を積ませることが狙いだろう。

また、カージナルスはロスター拡大に合わせて、ラーズ・ヌートバーをILから復帰させている。

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