下請け業者を入札停止3カ月 八郎山トンネルずさん工事で和歌山県

ずさんな工事がされていた県道長井古座線の八郎山トンネル(和歌山県串本町)=和歌山県提供

 和歌山県の串本町と那智勝浦町を結ぶ県道の「八郎山トンネル」(711メートル)工事で発覚した大規模な施工不良を巡り、県は1日、粗雑工事をしたとして、1次下請けの川合組(新宮市新町2丁目)を3カ月の入札参加資格停止にしたと発表した。8月28日付。

 「八郎山トンネル」は県道長井古座線のバイパス道にあるトンネルで、淺川組(和歌山市)と堀組(田辺市)の共同企業体が請け負った。

 しかし「覆工コンクリート」と呼ばれる内壁が全体的に薄くなっていたり内壁の外側が空洞になっていたりといった施工不良が、県への引き渡し後に別業者の指摘で判明。最も薄い部分では設計の10分の1しかなかった。県は7月下旬、2社を6カ月の入札参加資格停止にした。

 県はさらに、掘削工や覆工に関係した下請け4者を調査したところ「覆工コンクリート」を施工した川合組に粗雑工事が認められたとした。

 県によると、同社は施工途中から、薄くなった部分があることを把握していたが、相談を受けた淺川組が、薄くても問題はないとして、そのまま施工を続けるよう促したという。

 県は8日、専門家を委員とし、施工不良問題の原因究明と対策工法を審議検討する「第1回技術検討委員会」を開く。会議は串本町であり、現地調査も予定している。

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