夏の「胃バテ」にご用心!食欲不振・ムカつきのNG対処&回復方法

「暑さのせいか、食欲がない」「夏になると、胃がもたれてくる」

これらの不調は胃バテと呼ばれており、夏によくみられるトラブルのひとつです。

胃バテは簡単なセルフケアを生活習慣にとり入れるだけで軽減できる場合があります。一方で、なにげなく口にしている食品・飲み物のなかには、胃バテを悪化させるものもあるので要注意……。

今回は夏の胃バテのセルフケアと、意外なNG行動について解説します。

夏に起こりやすい「胃バテ」とは?

胃バテとは、胃の働きが弱くなって胃がもたれたり、食欲がなくなったりすることです。

夏の暑さで体調を崩したり慢性疲労になったりすることを「夏バテ」といいますが、胃バテはこの夏バテの一種です。

日本の夏は高温多湿であり、冷房の効いた屋内と屋外との気温差も大きいため、体温調節機能に関わる自律神経のバランスが乱れやすくなります。

胃の蠕動(ぜんどう)運動や胃粘液の分泌は自律神経の影響を受けているため、自律神経のバランスが崩れると胃の不調につながるのです。

胃バテの回復ポイント3つ

1.胃の調子を整える食材を摂る

胃バテをしているときは、消化がよくて温かいものを食べましょう。胃に負担をかけずに栄養を摂ることができます。やわらかめに炊いたごはんや、煮魚などがおすすめですよ。

夏バテ予防には、主食・主菜・副菜からバランスよく栄養を摂ることが欠かせません。

脂っこい食べ物は胃に負担をかけやすいので、食べ過ぎに注意しましょう。揚げ物・炒め物よりも、蒸し料理やゆで料理のほうがおすすめです。

2.朝1杯の白湯を飲む

胃バテを防ぐためにも、朝起きたらコップ1杯分の白湯を飲みましょう。白湯とは一度沸かしたあと50度くらいまで冷ましたお湯のことで、飲むとからだを内側から温めることができます。

白湯を飲むと血行がよくなり胃腸の動きが活発になるため、朝の習慣として白湯を飲むとよいでしょう。

3.生活習慣を見直す

胃バテをする人は、生活習慣を見直してみましょう。食後すぐに寝転がると胃酸が逆流して胃もたれの原因になります。寝る前の食事は避け、食後1~2時間以上経ってから眠りましょう。

ストレスや飲酒、喫煙も胃に負担をかけて胃バテを悪化させるおそれがあるため、これらの要素を避けることも大切です。

実はNG!?胃バテを起こしやすい行動

胃腸やからだの健康のためにと思ってやっていることが、実は逆効果になっている場合も……。胃腸の疲れの要因となるNG行動を3つ紹介します。

1.辛いものばかり食べる

とうがらしの辛み成分である「カプサイシン」は、適量を摂取すると食欲増進効果が得られます。

しかし、摂り過ぎると胃粘膜を荒らしてしまうため、食べ過ぎないよう注意しましょう。

2.スポーツドリンクの飲みすぎ

夏の水分補給のためにスポーツドリンクを飲む人も多いですが、飲みすぎには注意しましょう。

スポーツドリンクには500mLペットボトル1本の中に30g以上の糖分を含むものもあり、大量に飲むと糖分の過剰摂取によって食欲不振に拍車がかかる場合があります。

「1日何本までが適量」といった明確な基準はありませんが、WHOの指針では食事以外からの糖分摂取は1日の摂取カロリーの5%未満を目安としており、平均的な成人では25g程度となります。飲み物の種類によっては1本飲むだけで目安を超えてしまうこともあるため、注意が必要です。

なお、スポーツドリンクには塩分も含まれており、塩分の過剰摂取を避けるためにも適量摂取にとどめる必要があります。

疲れた胃腸には漢方薬でのケアもおすすめ

胃バテの解消には漢方薬もおすすめです。漢方薬は自然由来の生薬成分からなる医薬品で、胃の不調に対して消化器科などで処方されています。

胃バテのおもな原因は、気温差やストレスによる自律神経の乱れ、冷えなどによる胃腸の機能低下です。

胃バテ対策には、

・胃腸の機能を回復させる
・自律神経のバランスを整える
・からだを温めて、冷えが原因の食欲不振を改善する

などの働きを持つ漢方薬を選び、根本的な改善を目指します。

ストレス社会ともいわれる現代、ストレス対策やバランスのよい食事を心がけていても、難しい日もあるかもしれません。しかし、漢方薬なら自分に適したものを毎日服用するだけなので、簡単に続けることが可能です。

胃の疲れにお困りの人におすすめの漢方

・六君子湯(りっくんしとう):「気」(エネルギー)を補ってめぐらせ、胃腸の働きをよくします。胃が弱く、食欲がなくて疲れやすい人におすすめです。

・安中散(あんちゅうさん):胃を温め、冷えやストレスによる胃痛・胃もたれに効果を発揮します。体力があまりなく、胃痛や腹痛を感じる人に用います。

漢方薬を選ぶ際には、自分の体質や症状に適したものを見極める必要があります。合わないものを選んでしまうと、思わぬ副作用が出ることもあるので注意しなければなりません。そのため、漢方薬に詳しい医師・薬剤師に相談するとよいでしょう。

スマホひとつでプロに相談できる「あんしん漢方」のようなオンライン漢方サービスを利用するのも安心です。漢方のプロがAIを駆使してあなたに合った漢方薬を見極めてくれます。お手頃価格で自宅に配送してくれるので、とても便利ですよ。

セルフケアで胃バテに負けない夏を送ろう!

夏は胃バテしやすい季節です。胃にやさしい食事をバランスよく摂り、寝る直前には食事をしない、喫煙・飲酒を避けるなど、生活習慣を見直しましょう。香辛料やスポーツドリンクは、摂り過ぎると胃バテにつながる場合もあるので、ほどほどにすることが欠かせません。

疲れた胃には、漢方薬を服用するのもおすすめです。専門家に気軽に相談してみてくださいね。

胃バテに負けない、健やかな夏を送りましょう。

■この記事を書いた人

あんしん漢方薬剤師:山形 ゆかり

薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

(mimot.(ミモット)/ あんしん漢方)

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