最高のボーイ・バンド・ベスト17 : 必聴のポップ・グループたち

Photo: John Shearer/Getty Images for The Recording Academy

好かれようが嫌われようが、男性音楽グループはポップ・ミュージックの歴史のいたるところに足跡を残している。そのはしりは、ジャクソン5やオズモンズといった、振り付けを取り入れた1960年代~1970年代のヴォーカル・グループということになるだろう。

1980年代になるとニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックやブロズといったグループが英米のチャートを席巻するようになったが、その時点では、現在使用されている”ボーイ・バンド”という呼称はまだ存在しなかった。

しかし、1990年代に入って、一般的な、いわゆるボーイ・バンドが登場してくる。ナイジェル・マーティン・スミスやサイモン・コーウェル、ルイス・ウォルシュといった英国音楽界の実力者たちの戦略を受けて、テイク・ザットやボーイゾーン、イースト17などがマルチ・ミリオンの大ヒットを飛ばすようになったのである。

一方のアメリカでも、バックストリート・ボーイズやイン・シンク、B2Kなどが人気を博した。憎いほどキャッチーなヒットを飛ばしたそんなグループの数々を讃えるべく、史上最高のボーイ・バンドをランキングにまとめた。

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17位 : LFO

LFOは典型的なボーイ・バンドとは程遠い。しかしながら、メガ・ヒットとなった「Summer Girls」は、偉大なボーイ・バンドの足跡を辿ろうとしているかのような1曲だ。曲中にニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックやニュー・エディションの名前が出てくることも、このカテゴリーとの繋がりを色濃く感じさせる。

 16位 : B2K

ある程度しっかりしたボーイ・バンドならほとんどがそうだが、1990年代後半から2000年代前半にかけてのグループには比較的上品に攻める集団が目立った。この点、B2Kは例外で、彼らは年齢制限がかかるようなポップ・ソングで、本来のボーイ・バンドのファン層より年齢の高い世代から支持を集めた。

 15位 : ジ・オズモンズ

ユタ州出身の家族グループであるオズモンズは、そのキャリアを通じて試行錯誤と変化を繰り返した (ぶっ飛んだ「Crazy Horses」を聴いてみてほしい) 。だが最後には中庸路線のソフトなポップスたどり着き、丁寧に作り上げられたポップ・ナンバーで大成功を収める。その後、ダニー・オズモンドはこの方向性を妹のマリーとさらに推し進めていった。

 14位 : ビッグ・タイム・ラッシュ

ビッグ・タイム・ラッシュは同名のテレビ・ドラマに登場する架空のボーイ・バンドだったが、その楽曲が話題を呼んだことで2010年代前半を代表するグループになった。「Boyfriend」や「Big Time Rush」といった曲はドラマの劇中でたびたび流れていたため、アルバムがリリースされるころにはファンも待ちくたびれていたほどだった。

13位 : ボーイズIIメン

ボーイズIIメンは1990年代に登場した者たちのなかでもとりわけ優れたヴォーカル・グループで、「End Of The Road」「I’ll Make Love To You」「On Bended Knee」など、もっぱらバラードを得意としていた。だが彼らのファンキーな楽曲も忘れてはならない。特に「Motownphilly」の衝撃はリリース時から少しも色あせていない。

 12位 : ファイヴ・セカンズ・オブ・サマー

オーストラリアが誇るボーイ・バンドであるファイヴ・セカンズ・オブ・サマーは、同じカテゴリーに括られるグループの中では、比較的いわゆる”バンド”に近い。ワン・ダイレクションのツアーの前座として成功を掴んだが、その後「She Looks So Perfect」や「She’s Kinda Hot」といった楽曲で驚くべき飛躍を遂げた。

 11位 : ニュー・エディション

1980年代から1990年代にかけての数年間、ボストンから意外に多くのボーイ・バンドが登場している。ニュー・エディションやニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックはその代表格である。初期のヒット曲には「Candy Girl」や「Is This The End」「Cool It Now」などがあるが、活動休止後もたびたび再結成を繰り返し、1996年にはアルバム『Home Again』もリリースしている。

 10位 : ジャクソン5

ジャッキー、ティト、ジャーメイン、マーロン、そしてマイケル。モータウンが生んだボーイ・バンドのジャクソン5は、デトロイトに拠点を置く同レーベルが求める高い水準からみても驚異的なグループだった。

マイケル・ジャクソンが世に出るきっかけとなったのも、言うまでもなくこのグループだった。マイケルは、このグループを足掛かりに1980年代を代表するポップ・スターへと成長していくわけだが、ジャクソン5の作品も、楽しめるものばかりだ。

 9位 : ジョナス・ブラザーズ

ディズニー・チャンネルからは多くの子役スターが生まれたが、ジョナス・ブラザーズもそのひとつである。彼らは同じくディズニーと関係が深いAly & AJやチーター・ガールズとのツアーを通して名を上げ、アニメーション『アメリカン・ドラゴン』のテーマ・ソングを担当したことも、その人気に勢いをつけた。

2013年に一度解散を発表したが、2019年に「Sucker」でカムバック。同曲は全米シングルチャートで初登場1位という快挙を成し遂げた。

 8位 : メヌード

現在では、メヌードはリッキー・マーティンを輩出したグループとして知られている。しかし1970年代から1980年代にかけて中南米で育った人たちにとっては、彼らこそが史上最高のボーイ・バンドだった。

1977年に結成されたメヌードは、何度かの休止と再結成を経て2002年まで活動した。彼ら最大の特徴は、グループ編成に関して流動的なアプローチを取り、キャリアを通してメンバーを入れ替えながら活動を続けたところにある。

 7位 : ワン・ダイレクション

オーディション番組『The X Factor』への出演をきっかけにナイル・ホーラン、リアム・ペイン、ハリー・スタイルズ、ルイ・トムリンソン、ゼイン・マリクの5人はサイモン・コーウェルと契約。2010年代屈指のボーイ・バンドになった。

彼らは5枚のアルバムを発表し、その反響は作品を追うごとに大きくなっていたが、2015年にゼインがグループを脱退、その後グループは活動休止となり、それぞれがソロで活動している。

 6位 : バックストリート・ボーイズ

バックストリート・ボーイズは結成当初からヒットを飛ばしていた。セルフ・タイトルのデビュー・アルバムはベストセラーとなり、「As Long As You Love Me」や「Quit Playing Games」などの楽曲も高い人気を得た。

だが彼らが特別なのは何より、その息の長さだろう。2019年に『DNA』がヒットを記録したことで、彼らは1990年代、2000年代、2010年代の30年を通じ、全米チャートを制した唯一のボーイ・バンドとなった。

 5位 : ウェストライフ

史上最高のボーイ・グループのひとつ、ウェストライフは、ボーイ・バンドが全盛を迎えていた1990年代後半から2000年代前半にかけて数々のアルバムを発表した。中でも「My Love」「Against All Odds (Take A Look At Me Now)」「When You’re Looking Like That」などを収録した『Coast To Coast』は、彼らの最高傑作との呼び声が高い。

 4位 : ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック

ジョナサン・ナイト、ジョーダン・ナイト、ジョー・マッキンタイア、ドニー・ウォルバーグ、ダニー・ウッドの5人は、1980年代後半から1990年代前半に大きな人気を博した。

ニュー・エディションを成功に導いた張本人であるモーリス・スターが手がけた同グループは、彼がラッパーとして活動していたドニー・ウォルバーグの才能を見出したところから誕生した。

 3位 : ザ・ビートルズ

熱狂的な追っかけがつき、シングル・チャートを制し、大人たちは「こんなの音楽じゃない」とこぼす。まさに初期のザ・ビートルズはボーイ・バンドにみられる特徴を備えていたといえる。

だが彼らがユニークなのは、ボーイ・バンドからまったく別のものに変化していったことだろう。そして大衆文化の隅々にまで浸透する存在になったのである。

 2位 : BTS

BTSの人気ぶりを誇張して書こうと思っても難しい。彼らほどにソーシャル・メディアを通じて支持を拡大したグループはこれまでいなかった。韓国の7人組グループである彼らは、今やK-Popと聞いてほとんどの人が思い浮かべる存在だ。再生ボタンを押せば、R&Bを取り入れたワクワクするポップ・ミュージックが流れてくる。

 1位 : イン・シンク

セールス面で見れば、ジャスティン・ティンバーレイク、ジョーイ・ファトゥーン、JC・シャゼイ、クリス・カークパトリック、ランス・バスから成るイン・シンクは1990年代後半から00年代前半における最大のボーイ・バンドだった。

特にセカンド・アルバム『No Strings Attached』の反響は凄まじく、初週だけで200万枚以上を売り上げた。

 Written By Sam Armstrong

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