リチャードソン元知事死去 米民主、北朝鮮と独自外交

ニューメキシコ州知事などを務めた民主党有力者ビル・リチャードソン氏=2021年11月(AP=共同)

 【ワシントン共同】米国の西部ニューメキシコ州知事や国連大使を務めた民主党有力者ビル・リチャードソン氏が東部マサチューセッツ州の自宅で1日、死去した。75歳だった。米主要メディアが2日報じた。北朝鮮やキューバなどを訪問して独自外交を展開し、拘束された人物の釈放を実現。民主党を代表する「トラブルシューター(問題解決人)」と呼ばれた。

 1947年11月、西部カリフォルニア州生まれのヒスパニック系。83~97年に下院議員を務めた。在任中の94~96年に複数回訪朝し、独自のパイプを使って朝鮮戦争の米兵遺骨返還問題に取り組んだほか、北朝鮮に不法入国したとして拘束された韓国系米国人の釈放を実現。その後も訪朝を重ね、日本人拉致問題を取り上げるなどした。

 96年にはキューバでカストロ国家評議会議長(当時)と会談。反政府活動家3人の釈放実現にこぎ着けた。

 クリントン政権で国連大使やエネルギー長官を歴任。2003年にニューメキシコ州知事に就任し、11年まで務めた。

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